お題:黒い真実 制限時間:15分 読者:349 人 文字数:1472字

地下室(書き納め)
「なぁなぁ知ってる?」

始まった。
いつだって俺の唯一無二の友達であるこいつは、"都市伝説"の話をする時にこの切り出し方をする。
もう慣れっ子だ。

「お前がこれから話す内容によっては知ってるかもしれないな」

「じゃあ知らないよ、だってまだ俺言ってないもん」

都市伝説なんてこいつくらいからしか聞かない。
自分で調べようと思わないし、調べた所で無駄な労力を消費するだけだからだ。
だから、自然と入ってくるくらいがちょうどいい。
時々面白そうなネタも入ってくる、しかし8割がつまらないネタだ。

「そうか、聞くだけ聞いてやる」

「学校の地下室にさぁ」

「都市伝説でもないじゃないか、ただの学校の怪談か」

「そうじゃないんだって、学校の地下に実験室みたいなのがあるんだって。知っている先生は校長なだけで、この前理科の先生が見に覚えのない薬が存在したことと、いつの間にか消えていた薬があったんだとさ」

「ふーん」

興味が無い。
どうせ理科の先生の怠惰で起こった出来事なんだろう。
それを聞いていた生徒が面白おかしく改変して、七不思議の一つにでもするといった感じだ。
今回はハズレだな。

「ふーん、って興味無いのか」

「だってありえないだろ。実験室ってなんの実験してるんだよ」

「うーん、それは知られてないみたいだ」

「余計に胡散臭い」

「ソレがなんだか分かっても『胡散臭い』って言うだろ」

図星だ。

「この学校地下に繋がってるとこなんて無いだろ」

「それが調べたんだけど、西館の職員室奥の階段に下へと続く階段があるって」

「どうせ物置だろ……」

「ありがちなパターンだろう、物置からさらに地下室が存在するって」

「かなり昔の日本家屋だよな、それ……」

実験室と言っていたが、死体の1つでも存在しそうな勢いだ。
存在したとしても、通報をすればいい話だし、存在なんてしないし、非現実なんて現実的ではない。
だから非現実なんだが。

「よし」

「よしじゃない、俺を連れて行こうとするな」

「良いじゃないか~どうせ暇だろう?」

「そりゃ……」

「見るだけ見るだけ」



職員室の奥。
ほとんどの職員が使う階段が1つ、普通なら壁の1つでもあるが、地下へと続く階段が確かに存在した。
しかし、俺の予想通りそこには物置があった。
ドアが1つ。
サビれていて、とても開きそうに無い。

「ダメだな、諦めろ」

「まぁ見てなって」

するとそいつは鍵を取り出して、カチャリと開けてしまった。

「……お前物置って知ってたのか」

「まぁね」

ドアを開ける。
中に入ると、異臭がする、学校の中とは思えない部屋。
雰囲気が一気に変わった、このドアを開けたのは一体何年ぶりなのだろうか。
俺は思った、そう思った時点でダメじゃないのか?
何年ぶりということは、つまり……使われていない。
故に、実験室など存在しないことがわかる。

「ちょっと床を中心に探してみようか」

それを言って論破しても構わないが、どうせ暇だし、こいつはこじつけで俺に地下室を探させるだろう。
それが面倒なので、調べる。



数分後、こいつは見つけてしまった。
地下室らしきものが見える小窓。

何かがあるかもしれない部屋。
友人のテンションも上がる。

俺は……正直怖かった。
何故ここまで黒い真実へとつながるのか。

こいつは誰から何を聞いてきたのか。

俺はその場から逃げ去った。
ただただ怖かった、友人が。

その後どうなったかは知らない。
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