お題:オレだよオレ、悪役 制限時間:15分 読者:491 人 文字数:578字

悪役として――。
 僕は父親を亡くした。
 見るも無残な姿だった。まだ物心がつくかつかないかという年齢だった僕もあの姿だけは忘れようとしても忘れられない。
 父さんはワルモノに殺された。大きな大きなやつに殺された。
 大きな大きなやつは何度も何度も父親を踏みつけた。もう死んでるのはわかってる。
 誰もがそう思ってもワルモノは父親を踏みつけるのをやめなかった。
 100回は踏んだだろうか。満足した表情でワルモノは姿を消した。
 泣いた。涙が出ないくらい泣いた。
 父を亡くしたという悔しさと何も出来ない自分へのいらだちがあふれ出てきて、僕は叫ぶことしかできなかった。
 言葉になんてできなかった。

 僕はそれからワルモノを倒すことだけを考えてきた。
 大きな大きなワルモノの足をよけるために瞬発力を鍛えた。
 大きな大きなワルモノに対抗するには自分で捨て身の攻撃をするしかない。
 毎日毎日壁にあたって特訓した。

 そして、ワルモノはやってきた。
 僕は必死につっこんだ。もう命なんて惜しくなかった。ただワルモノを倒しさえすれば――。

 ただ今回のワルモノは踏んづけてはこなかった。
 その代わりに僕の方にやってきたのは炎だ。

 なすすべがなかった。

 俺はだんだん体が焼け焦げてるのがわかった。
 目の前には巨大な赤い帽子で髭の男がいつまでも立ちすくんでいた。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:高遠 お題:オレだよオレ、悪役 制限時間:15分 読者:406 人 文字数:634字
「どうしてイヤホンってすぐ絡まるのだろう」 10秒で忘れてしまうようなくだらない会話の途中、友だちのイノがふっと真剣な顔つきになっていった。 私も「それはもはや 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梨子 お題:オレだよオレ、悪役 必須要素:入れ歯 制限時間:15分 読者:268 人 文字数:455字
「オレだよ」そう言われて顔をあげると、俺を縛り上げていたのは確かに見知った顔で。ぼろぼろになって拘束されている俺を見て、とても楽しそうに笑っていた。「なあ、オレ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:佐藤健志(sugar)/グリッシーニ塩味 お題:くだらない嘔吐 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:469字
くだらないことなら、山ほどある。たとえば、明日の天気だとか。たとえば、どこかの国の誰かの言葉とか。そんなことにこだわっていたら、未来なんてこない。くだらないこと 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
心残り ※未完
作者:akari お題:苦しみの死 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:256字
大地と二人だけの夕食。いつもの日常。けれど、それは今日で最後らしい。「お母さん! お母さん!」 大地が泣きながら私を呼んでいる。そんな我が子に笑顔を返せない自 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:カ ク お題:煙草と出会い 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:456字
冬になった。吐く息が白くなるのを見ると、毎年のことなのに少し驚く。夏は息のかたちが見えないのに冬は見える、夏に見えて冬に見えるものの正体を眼前にくゆらせる。それ 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
未56 ※未完
作者:日ノ宮理李@バブみ昆布 お題:子供の就職 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:657字
実際問題ーー使えない大人を排除することはいい法案だと思う。 国民投票……主に子供の票により、大人の生命が決まる。そこには悪も、正義もない。ただ純粋にこの人が役 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:破死竜 お題:僕と死刑囚 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:798字
「お前は明日死刑になるとしたら、最後に何を食べたい?」 それが、彼から僕への質問だった。 「難しい質問ですね」 英文の直訳のような答えを返してしまったのも無理 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
赤い服の人は ※未完
作者:アマハム お題:贖罪のサラリーマン 制限時間:15分 読者:23 人 文字数:582字
がつん、と頭を床に擦り付ける。「実は、お前に黙っていたことがある!」 ああ、なんと惨めなんだろう。大の大人が帰宅早々土下座をかましている風景は。 目の前に誰か 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
未完成 ※未完
作者:アマハム お題:輝く別れ 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:69字
一組の男女が人気のない道端で対面していた。真剣な面持ちでお互い見つめ合うとまず女が口を開いた。「さようなら」 ふんわりと呟くと、男は 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:意外!それは諦め 制限時間:15分 読者:20 人 文字数:1313字
「恋に悩める君に、絶対に告白に失敗しない方法を教えてあげるわ」 いきなり目の前に現れたお姉さんは、そんなことを言い出した。 この人は恋の女神らしい。なるほど、白 〈続きを読む〉

すみやきの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:すみやき お題:愛すべき螺旋 制限時間:15分 読者:561 人 文字数:464字
朝起きると、私は螺旋の上に乗っていた。 いつものことだ。 私はいつも目覚めると螺旋の上にいて、ただひたすら人を待つ。 昔はもっと私のように螺旋に乗ってるやつも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すみやき お題:ぐちゃぐちゃの霧雨 制限時間:15分 読者:420 人 文字数:504字
びしょ濡れなんてもんじゃなかった。 濡れる……というよりもう自分自身が水分になった気分。 ひたすら汚れた俺にとって久々のシャワーだ、なんて喜んだのは一瞬のこと 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すみやき お題:意外な扉 制限時間:15分 読者:415 人 文字数:559字
「ドラえもーん。スネ夫が新しいゲームを買ってもらったんだって! 僕も新しいゲームが欲しいよー」「まーた、のび太くんはそんなことばかり言って! しょうがないだろ。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すみやき お題:右の洞窟 制限時間:15分 読者:456 人 文字数:613字
我々探検隊は今決断の時を迎えている。 左の洞窟に入るか、右の洞窟に入るかだ。 見た目は全くかわらない。同じような洞窟が2つ。おそらくこれは自然にできたものでは 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すみやき お題:いわゆる洞窟 制限時間:15分 読者:469 人 文字数:695字
気がついたらびしょ濡れだった。 自分がびしょ濡れだと言うのに、なぜか全く寒くはなかった。逆に少し暖かいくらいだ。 周りを見渡すと真っ暗だった。ただ自分が生暖か 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すみやき お題:赤い吐息 制限時間:15分 読者:514 人 文字数:707字
「はあ……今日も叱られちゃったよ。 だってしょうがないじゃん。 電話対応してて、不意にタメ語がでちゃうのだって。 別にこっちはわざとしてるわけじゃないんだからさ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すみやき お題:オレだよオレ、悪役 制限時間:15分 読者:491 人 文字数:578字
僕は父親を亡くした。 見るも無残な姿だった。まだ物心がつくかつかないかという年齢だった僕もあの姿だけは忘れようとしても忘れられない。 父さんはワルモノに殺され 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すみやき お題:最後の馬鹿 制限時間:15分 読者:398 人 文字数:281字
片目をつぶった男は葬儀に遅れてやってきた。 遅れてきたのにその男は悪びれる様子が一つもない。 仏を前にしても涙を流すわけでも、悲しみをこらえるわけでもない。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すみやき お題:10の諦め 制限時間:15分 読者:483 人 文字数:690字
「ねえ、ねえ、もうああきらめようよー帰ろうよー。 絶対ないって絶対。ね? 人生あきらめが肝心。そう思わない? みんな! だってそうじゃん。もう、ずっと探してるけ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すみやき お題:オレだよオレ、借金 制限時間:15分 読者:463 人 文字数:740字
「おい! いるのはわかってんだぞ」 やつは僕の部屋をひたすら叩く。「オレだよ。オレ。なあ、わかるよなあ。オレが来たら何をしなきゃいけないかがさあ!」 ドアを叩く 〈続きを読む〉