お題:オレだよオレ、借金 制限時間:15分 読者:407 人 文字数:740字

戯言系は人気。
「おい! いるのはわかってんだぞ」
 やつは僕の部屋をひたすら叩く。
「オレだよ。オレ。なあ、わかるよなあ。オレが来たら何をしなきゃいけないかがさあ!」
 ドアを叩く音がだんだん強くなっていく。それにつれてやつの言葉もだんだん荒くなっていく。
「なあ! こっちだって慈善事業でやってんじゃないの? それくらいわかるだろ? な? だからとりあえず、開けろよ! なあ!」
 もう限界だった。僕はドアをゆっくりと開く。
 がっしりとした体格にオールバック、そして銀縁の細い眼鏡がやつの強面をいっそう引き立てている。
「そうそう! そうやって出てきてもらわないとなあ! じゃあ、出す者だしてもらおうか!」
 僕は震えながら、財布に手を出す。
「おい! その前に俺に渡すものがあるだろう」
「す、すいません。もうちょっと待ってもらえませんか――そうしたら」
 そこまで言いかけて僕は何も言えなくなった。やつの眉間のしわがこっちを威嚇し続けている。
「わ、わかりました。これで……」
 ついに僕はやつに渡してしまった。
「ったく。返済期限どれだけオーバーしてると思ってるんだ! あん?」
 さらに彼は声を荒げた。

「次にこの本を待ってる人がどいれだけいると思ってるんだあ!!! あん!」

 彼は僕から渡された本を鞄の中に大事にしまった。
「おい! 貸し出しカードは!!」
 僕は慌てて財布から貸し出しカードを取り出す。
「最初からこうやってだしときゃ俺だってこんなことしなくてすんだんだ」
 やつの腕には「図書委員会」の腕章がきらりと光っている。
「もう2度と延滞するんじゃねえぞ!」
 彼はそれだけ言って僕の家を後にした。
 くそう……もうちょっとだけ待ってもらえば――全部読めたのに。
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