お題:刹那の即興小説 必須要素:バッドエンド 制限時間:15分 読者:268 人 文字数:829字

小説かき ※未完

白いマグカップの中でたゆたう茶色をのぞきこむ。紅茶の中から、どこか間抜けな私がのぞき返していた。ふう、と息を吹くと、ぶわぶわと世界がゆがみ、間抜けな私もかききえる。その様を眺めてから私は、もう一度息を吹いた。今度は、空虚にむけてだ。溜息だった。

一行書いては消し、二行書いては消し、を繰り返した原稿用紙は、なんだか薄汚れてきていて、くしゃくしゃとつぶして机の端へ寄せる。思い浮かばない、何も。
そもそも、私の担当ではないのだ。私はドライなドキュメンタリー文章を書くことを生業としている。なのに、突然物語ものを書けと言われた。しかも、おとぎ話を。自分の縄張りでないのだから、書けるわけがない。

左に置いてある用紙の束から白いさらさらとした原稿用紙を引っ張り出して、もう一度えんぴつを握る。緑色の、手になじむえんぴつ。HBのこのえんぴつが私は好きだ。ガリガリとまるで彫るかのような感覚を覚えるこれは、書いている、という気分に浸れるから。
といっても、筆が進まない。そもそも、私の担当のやつがわるいのだ。わかっているはずだ、私がこんな文章をかけるわけがないと。それなのに、あいつめ。適当に仕事をうけやがって。
元来臆病な性質の私は、仕事を受けた後やっぱり断るなんてことはできないのだ。それができたら今頃、次の本のために、現地へ取材へいっているだろう。
もう一度溜息をついた。今は、目の前の課題へと取り組まなきゃ。そうしてなんとか文字をかたちにしようと書き始めた瞬間、ピリリリと空気を裂く音がした。

なによ、いったい。人が必死で頑張ってるって言うのに。
相手も確認せずに黒光りする携帯を耳に押し当てた。
「なに、今私書いてるんだけど」
「あーもしもし、桜田さんですか」
「は、はあ」
あ、もしかして、と思って一瞬耳から携帯を外す。確認した名前は、なんとこの仕事の依頼をしてきた相手だった。くそ。
「明日締め切りなんですけど」
「は、はい?」
嘘だろう。そんな
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