お題:刹那の即興小説 必須要素:バッドエンド 制限時間:15分 読者:306 人 文字数:764字

15分の消失
 一瞬。
 たった一瞬のできごとだった。
 ともすれば見逃し、何が起きたのかわからないままだっただろう。
 だが、俺の目は捉えていた。
 その一瞬。
 刹那の瞬間に何が起きたのかということを。
 俺は確実に押したんだ。完全に同じタイミングで――刹那、俺の方が遅かっただけ。
 いや、俺自身にその意思はなかった。俺としてはただ何気なく決定しただけだった。
 いつもどおり。流れ作業の一環として。
 慣れたものこそ集中して挑め。それはどの分野だって一緒だ。
 しかしこれに関しては俺がどんなに注意を払ったって仕方ないだろう。だって俺は予言者でもないし、時を止めれるわけでも遡れるわけでもない。
 人間に刹那の動きはできない。それは人間である以上、当然のことだ。
 となれば俺がさっきの事態を防げなかったのも仕方ないことなんじゃないか? あまり自分を責めるのもよくないよな。
 それが頭でわかっていても、どうしても後悔が襲ってくる。
 あの時、一瞬でも遅く決定していれば。
 そんな思いが心を責め立てる。
 俺は椅子の背もたれに身体を預けて嘆息する。
 目の前には四角く薄っぺらい画面。いつもは発光して様々なページを映し出す画面も、今は真っ黒く染まっていた。
 俺がENTERキーを押してしまったから。
 画面の隅に突然現れた『更新が必要です。再起動しますか?』の文字。
 そしてイエスに合わさっているカーソル。
 罠だ。完全にPCが俺に対して反逆をしてきたのだ。
 つまり、俺が書いていた即興小説も完結できないまま、見事なバッドエンドだ。全ての文字はプログラムという闇に消えてしまったのだから。



 ――再起動が終わり、バックアップから続きが書けることを知ったのはまた別の話。
作者にコメント

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