お題:臆病なコンサルタント 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:521字

向いていない仕事 ※未完
「こんにちは、担当のヤマモトです」という声が私にかけられたものだと気付いたのは、読んでいた文庫本に影が落ちたからだ。ただ声が聞こえただけだったら、それはどこか遠くから聞こえたものだと思っただろう。彼女の声は、それくらい小さかった。
「ああ、どうも」
文庫本をバッグにしまい、立ち上がる。彼女は私より頭ひとつ背が低い。彼女が首から下げている名札の真ん中には太字で「山本麻里」と、左上には細字で「コンサルタント」と書かれている。
「よろしくお願いします」
軽く頭を下げると、彼女も同じようにした。目を合わせようとしたが、彼女は先ほどからずっと目を伏せている。
「では、こちらへ」
相変わらず目線で私を避けながら、彼女は右へ手を伸ばした。見ると、長い廊下がどこまでも続いている。私は彼女と横並びになって、長い廊下をゆっくりと歩きはじめた。
病院のように真っ白な空間。それを構成する真っ直ぐな廊下は、ときどき左右にドアがあるだけで、私が先ほどまで座っていたイスすらも見当たらない。
「山本さんは、新入りなの?」
彼女は突然の質問にびくりと肩を震わせた。首を右に動かして、顔は向かい合ったが目は合わない。
「はい」
「あなたはベテランだと聞いています」
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