お題:疲れた第三極 制限時間:15分 読者:20 人 文字数:898字

彼と私と、犯人
 私は友だちが少ない。
 人付き合いが下手ということもあったけど、瞳の色が青い日本人というのは異質だった。
 そんな中彼だけは私に手を差し伸ばしてくれた。
 嬉しかった。ただ嬉しかった。
 でも、そんな彼は事件の首謀者として警察に連行されてしまった。
 痴漢冤罪だ。許せない。彼を貶めた存在に天罰を与えたい。
 そうして私は毎日のように関係者の後をつけた。
 どこはほころびがでるかもしれないから。
『今日も警部さんきたね』
『受けるよね。もうあいつがやったことにしてくれちゃえばいいのさ』
 盗聴器から声が聞こえてくる。
 話してるのは彼についてだろう。
 警察の厄介になることなんて人生でかなりの数しかないはずだ。
『もうさ、めんどくさいからあいつの証拠出しちゃわない?』
『えぇーそれってあれだよね? 偽証っていうの』
『あいつ人付き合い良かったからいろんなの残ってんだよね。これとかさ』
『なにそれ? コンドーム?』
 いったいなんでそんなものが彼女たちの元にあるのだろうかと思考してると、
『落とし物だって渡されたんだよね。まじ受ける』
『まじに落としたの?』
『まぁそうね。落としたわ。あれはかなりむかついたね』
 落とし物を返したから、仇で返すなんて間違ってる。
『それで実刑になるん?』
『痴漢で捕まえたんだから、ヤりたいって考えてたって証拠になるじゃん』
『そりゃそうかもしれないけどさ、今更になってゴムだしても怪しまれない?』
『未だに資料不足で捜査してるんだから、証拠喜ぶでしょ』
 こいつらは痴漢冤罪で彼を警察に突き出しながら、さらに貶めようというのか。
 許せない。
 同じ罪を味あわせたい。
 でも……同性の人間を痴漢で捕まえるのは難しい。
 逆は簡単なのに……おかしい。
 誰であっても平等であるべきなのに。
『そうだ、あいつ使ってみればいいじゃない』
『そういや近くにいたっけね。二人まとめて片付けられるのはいい話だわ』
 これはきっと私のことに違いない。
 なにかしてくるのならーーこちらも準備できる。
 私はそっとその場を離れると、ホームセンターへ向かった。
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