お題:やば、モグラ 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:1214字

デスゲームの運営者はすごい。
 人間モグラ叩きをやろうと思ったのは、失敗だったと思う。なぜなら、よくよく考えたらずっと穴の下に籠もってしまえば良いから。僕は少々飽きっぽい。だからモグラ役を全員叩く前に一人で帰ってしまうかもしれない。
「あと何人ですか?」
「八人くらい」
「うーん…… まだ半分も…… 面倒ですねえ」
 最近嫌な事件を引き起こしていた十五人くらいの暴力グループを穴の中に放り込んで、逃げだそうとした奴を打ちのめして行く遊びをやってみたものの、案外面白くないということに気がつく。おかしいな、エログロナンセンス系の漫画ではプレイヤーは結構ヒャッハーヒャッハー言いながら楽しんでいたのに。
「最近デスゲーム系物語増えてるじゃん。増えてるのよ」
「ええ、ブックオフの百円コーナー行けばたくさんありますね」
「百円を強調したくなるのもわかるわ。ほんとさー、デスゲームの運営者って凄いよな。こんなの飽きるし面倒だし……」
「やっぱり罪なき一般人とか、お色気要員とかいないからじゃないですか? ああいうのって裸見せるキャラとかいるじゃないですか」
「えー、俺たちそこまで非人道的なことやりたくねえよ」
「僕たちのやっていることも相当ですけどね」
「男は無限に沸いてくるから仕方なっい! 九人目?」
「ですね」
 穴から飛び出してきた不良っぽいなにかを、お兄さんは急角度の膝蹴りを当てていく。後頭部へ一撃。脳震盪は間違いない。死んでいるかどうかはわからない。そのまま放置していればなにかしらの後遺症は残るだろうが。
「この不良の彼女たちくらい連れてくれば良かったかな?」
「流石に婦女子にこういうことをするのは…… 視聴率を稼ぐならそれなんだろうけれども……」
「そうじゃないですよ、むしろ女の子たちにプレイヤー側をやらせるんですよ」
「あー、愛を確かめるみたいな話? それも最近の流行りだよなあ…… 流行りか?」
「たぶん流行りですよ真実の愛ってのはいつでも」
「だ、よな!」
 男に痛烈なダメージを与える作業を女の子に任せる。それも彼氏相手に。もしそれを拒んだらこんどは自分が穴に落とされるかもしれない。彼女たちは悩む。そして男たちは今までぞんざいに扱ってきた彼女たちに懇願する。
「でも女の子たちは結構な頻度で一生のお願いを聞いているんですよね」
「あー、よく聞くねその駄目な男とそれを支えなきゃならないって女、共依存とかなんとか」
「そこで…… 十人目! そこで女の子は言うんですよ『アンタはアタシの言うことをなに一つと聞いてくれなかった!』とか」
 また一人穴から出てきた。なにやら命乞いをしていたので、アゴへの蹴りで済ませてあげた。失神はしただろうし、アゴの骨は折れたかもしれない。だけど死にはしない。
「でもそこで『アタシがどうなっても良いからこの人を助けて!』とか言われちゃったら、愛に乾杯してお帰り頂くね」
「良いですね。それも」
 十一
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