お題:激しい魔物 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:543字

You Show 優勝
 往年の、高校野球ファンは、言う。
 「甲子園には魔物が住む」
 と。


 センバツ優勝経験もある先発投手がこの試合も登板し、A高校は、試合を有利に進めていた。しかし、中盤に入り、連投の疲労が、彼の腕に襲い掛かってきた。
 「球速は落ちていないが、高めに浮き始めたな」
 監督は、この大舞台であっても、冷静に選手たちの状態を把握していた。その後、彼は投手をライトに下がらせ、二番手三番手の投手を登板させることを選んだ。
 勝ち頭ほどではないが、速球派の投手、左の多彩な変化球投手と、甲子園常連校らしい厚い選手層を生かしたバリエーションを備えている。
 「ここからが、勝負の分かれ目だ」

 だが、勝負は意外な方向に流れる。
 A高校が、三番目の投手をマウンドに登らせた直後、パラついていた雨が、その勢いを増してきたのだ。審判による中断が宣言され、早速、阪神園芸が、その腕前を発揮する。
 けれども、その後も、雨脚は弱まることなく、敷かれたシートも、その上に更に降った雨滴で、川のようになってしまっていた。
 8回コールド。
 それが、この夏の決勝戦の、あっけない結末だった。


 優勝インタビューにて、A高校監督は、言った、
 「今日の甲子園には邪な魔物。邪魔物がいました」
 と。
作者にコメント

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