お題:最強の保険 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:927字

変態にはまるということ。
「不老不死じゃないですか」
「はあ、そうですね」
「だから、例えば保険をかけるじゃないですか」
「……」
「死ぬじゃないですか」
「……」
「んで、火葬されたらそこらへんで保険金が貰えるじゃないですか」
「……」
「んで蘇って、こうみんなでぱーっと使う、ってどう?」
「……そんな軽々しく死ぬとか言っては駄目」
「あ、はい……」
 私が予想したい以上に、この男の人は肩を落として凹んでいた。おそらく、期待していた言葉は『死ねば良いのに』とか『怪しすぎて保険金が受理されない』とか『売血とか臓器提供の方が早い』とか、嗜虐的な言葉を待ち望んでいたはず。
 例えばあの元不良教師や、ツッコみ上手の中学生や、引き籠もりの彼女やらであったら、そういった苛烈な言い回しをして彼を喜ばすであろう。しかし、私はそういう彼の期待に添わない答えを出すことを意識的にやっている。
 誰かが言っていた、雑なボケにはボケで返すべきだと。返した結果が、このド凹みに例として見せたいようなポーズである。ちょっと写真に撮っておこう。鞄からスマートフォンを取り出してテキパキと写真を撮る。
「いや、本当に写真なんか撮らないで……」
「ポーズ、ポーズ」
 こんな風に言うと、この人はきちんとアクションスターのようなポーズを取ってくれる。顔は一枚また一枚と撮るたびに、快活な表情に変わる。そうしていれば、凹んだことすらも忘れているだろう。
「でもさっきの発言は理解しかねる。最強の保険金詐欺とか寝る前に急に思いついたことを精査せずに語り出すのはナンセンス」
「あ、はい…… 反省します……」
 またしても肩を落としてしまう。面白い。喜怒哀楽が激しい所がこの人の取り柄。こんなことを言うと驚かれると思う(実際にもの凄い驚かれた)が、こういう所が、この人の好かれる部分である。
 この人は、普段は本当にナンセンスで面白くないのだ。面白くないし、鬱陶しいだけ。だけども、だからこそ、ここ一番のかっこよさが光る。そして、誰しもがそこに惹かれてしまっている。
「でも、私は本当に貴方が無意味に死ぬことは嫌」
「……そうか」
「それに、死んだふりして下着をみるようなことも嫌」
「そんなことはしてない!」
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:最強の保険 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:583字
僕はとある普通の大学生です。前にはサークルの先輩がいる状況。そこの先輩が言うのは「この保険に入れ」ということ。僕は直ぐにネズミ(これを広めれば簡単に儲かる的なや 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:それいけ小説家たち 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:1255字
「……ということで、小説家の休日の特集記事を掲載しようと思いまして、是非先生の休日に密着取材させてもらいたいわけなんです」 新進のウェブメディア「お前有名人じゃ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:DDT お題:哀れな微笑み 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:363字
夏休みのキャンプ地で写真を拾った。不法放棄ゴミの中にあったものらしい。おそらく接近した台風のせいで飛ばされてきて、うちの車のフロントガラスに張り付いたのだ。半分 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
真夏の朝の夢 ※未完
作者:イグモ@小説 お題:絵描きのお嬢様 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:304字
あの人に出会ったあの夏の一日を、私は今も昨日のことのように思い出すことが出来ます。夏休み三日目の早朝、いつものランニングコースにも飽きてきた私は、町はずれの小高 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:恋の闇 制限時間:15分 読者:1 人 文字数:252字
恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋恋 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:我有一徹@カクヨムVtuber お題:苦しみのピアニスト 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:792字
「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか!」 飛行機の中で、そんな場面に遭遇するとは思いもしなかった。 私は多少なりとも医学の知識を持っていたが、医者ではな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@ばにもも愛好家 お題:失敗の宿命 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:1234字
受験に失敗した僕は裏取引に応じるしかなかった。 叔父は今まで積極的に接触したことはなかったけれど、きっと大丈夫。「こんにちわ」 インターホンを鳴らすと年老いた 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
屋根裏 ※未完
作者:匿名さん お題:トカゲの悲劇 制限時間:15分 読者:1 人 文字数:691字
この家に住み着いてから、今日でちょうど2年が過ぎようとしている。家、と言ってはみたが、実際に俺が住んでいるのはホコリにまみれた、薄暗い屋根裏部屋だ。そこで2年 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:砂糖あめ お題:マンネリな霧 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:273字
僕にはちょっとした特技がある。どんな湿度の空間でも視界が悪くなるくらいの霧を発生させることができるのだ。いわゆる超能力というやつだ。周りの人々には絶対にできない 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:砂糖あめ お題:永遠の秀才 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:293字
どうやっても、天才にはなれなかった。「△△模試の結果が来たので返します。出席番号順に取りに来てください。」模試が返ってくる。不安と期待を込めて手渡された紙を開き 〈続きを読む〉

ダツ・ Ambroseの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:綺麗な監禁 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:1040字
どうして扉の外側から鍵がかかっているのか。一体どういう仕組みなのか。どういう意図でこんな扉を作ったのか。そんなことを考えつつも、別に不自由なさそうだからおとな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:難しい雑草 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:1015字
無意味に生きることすら許されてはいない。死んだように生きている。だけれども、やはり死んでいるのだから、もう死ぬことすらすらできない。望んで起きたことなのか、そ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:彼女の嵐 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:848字
「ブッチャーが入場してきそうなこった!」「意味わかんないよその例え!」 どこの世界にも悪意や呪いというのは変わらないというわけだろうか。どうしてこんな馬鹿げた存 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:意外なゲーム 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:1172字
「明日帰るのかい?」「落としたモノも見つかったし、今知っている範囲での面倒事は全部解決したからな」「か~! 寂しくなるねえ~~~!!」 ここの所毎夜毎夜酒を二人 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:小説の薔薇 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:1022字
「なんかの物語に出てくるような、薔薇を口にくわえてかっこよく決めるヒーローなんてなるつもりはなかったんだけれどもな」 どうしてステージの裏側でタキシードを着て、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:彼と情事 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:1081字
「ハーレムだねえ~~~?」「否定出来ねえ」「色男だねぇ~?」「……それは自分で言うのはなんか、違うと思う」「あらまあ控えめなこった」 かつてはお互いに殺し合った 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:天国の雨 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:869字
「どんな場所でも、悲劇はあるってことかい?」「多分、ね」 愛していた人に裏切られて、絶望して、全てを恨むようになる。そうして起るのは、ありとあらゆる愛の否定。特 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:黄金の転職 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:852字
前回までのあらすじ。 なんかちょっと遠出したいなと思い、新宿から高速バスで山梨県に行くことにした井島紳慈(もちろん行く先は誰にも告げていない)。 河口湖が一望 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:最強の保険 制限時間:15分 読者:18 人 文字数:927字
「不老不死じゃないですか」「はあ、そうですね」「だから、例えば保険をかけるじゃないですか」「……」「死ぬじゃないですか」「……」「んで、火葬されたらそこらへんで 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:神の百合 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:1044字
女の子になってみたいと願ったその日から、もしかすると女の子になっているのかもしれない。しかし実際、女の子にとっては女の子という存在は案外鬱陶しく、面倒なものな 〈続きを読む〉