お題:神の百合 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:1044字

獣は男であるべきで。
 女の子になってみたいと願ったその日から、もしかすると女の子になっているのかもしれない。しかし実際、女の子にとっては女の子という存在は案外鬱陶しく、面倒なものなんだろうなと、スカートを履いてみるとよくわかる。
 スースーする。それでいて、なんかこう、なんだろうか、やっぱり下着というのは見せてはいけないものなのだろうなと改めて思う。なんで女性はこんな服装を毎日のように着ることが出来るのだろうか。恐るべし、普遍的価値観。
「魔法や超能力が全員に備わっていたら……、お互いの性別を経験してみる週間とかやるべきだな……」
 自分の持っているこの世ならざる能力。理不尽な力を持っているからこそ、こうしてアラサー男がここまで完璧な女性化出来るわけで。やはりただスカートやら女性ものの服を着るだけではない、それまで歩んできた性別の常識が、一気に壊れていく感じ。なんとも、おかしくなりそうだ。
(うわあ、またやらしい目で見られている…… ような気がする)
 この変化した姿が、先生と一緒であったからこそ、こうして直ぐさま外に出て見ることが出来た。しかし先生は普段どちらかと言えばかっこいい服装であったけれども、渡された服はどちらかといえば可愛いタイプだと思う。
(先生もこういう服を着たいのかな?)
 ヒラヒラとした、可愛らしい服装。変身前では昭和顔の男が、どうしてこうも可愛らしい服が似合う普遍的な乙女になるのか。自画自賛をするわけではないが、どうもこの顔や体型は誰が見たって素晴らしいものである。
 女の子に生まれていたらこうなっていたのだろうか。なんとなく母や祖母の顔を思い出したが、よくわからない。父の顔に似ている感じもまだある。
「……なにやっているんですか」
「ほえ?」
「……耳を触る癖とその変顔は変装していても変わりませんね」
 なんとも、目の前に急に現れた女性。最近は引き籠もってばかりの彼女にこんなタイミングで出会うとは、どうしたものか。なんか凄く恥ずかしい。アラサーのおっさんなのに。
「……顔赤らめないでください。だいたいなんでスカートなんですか」
「いや、ほら、先生に渡されたから……」
「悪乗りに素直に乗るとか馬鹿ですか?」
「でも女の子ってこういう服装が……」
「はあ…… そんな格好していたら酷い目に合いますよ?」
 良いんですか? 電車とか乗ったら大変ですよ。と彼女は言ってくれた。
「心配してくれるの?」
「……ふん」
 どうにもこうにも。変身したかいがあったか。
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