お題:有名なセリフ 制限時間:15分 読者:26 人 文字数:947字

もしも明日が晴れならば
空を見上げて息を吐く。

「明日天気になれ」

小洒落た言葉を唱えて、サンダルを投げる。

視線の先に落ちたサンダルは、ひっくり返っていた。

「はぁ…」

こんな天気占いでさえ、僕を裏切るのか。

携帯を取り出し、天気予報を見る。

そこにも、同じように雨マークが付いている。

「このっこのっ!」

雨のマークをぽちぽちと押す。

そんなことをしても無意味だとわかっているけれども、少しでも抗いたかった。

「久々の花火大会なんだけどな」

もう一度、大きく息を吐く。

「どしたの」

「うわっ」

急に後ろから声を掛けられた。

「そんなに携帯じっと見つめて…もしかして、やらしーやつ?」

「ちげぇよ!」

「まー、君に限ってそんなことないか」

そう言って、幼馴染は小さく笑う。

「で、何みてたの?」

「これさ」

携帯の画面を見せる。

「なーる。
でもなんで急に?」

「ん、んー…いや、なんていうか」

「ははーん…さては、デートか」

「ちっ…!がわ…なくも…ないような、あるような…」

「どっちやねん」

「そういうお前は予定とかあんのかよ」

「あたし? 君はどう思う?」

(質問に質問で返さないでくれよ…)

とは言えず、ゆっくり考え込む。

そのまま視点がゆっくり降りて、丁度胸元に移る。

「こう見えて、意外とあるような…」

…今、なんかへんなこと口走ったな。

「何言ってんの、暑さで頭おかしくなった?」

「いや、お前のことだし、普通に出かけててもおかしくないなって」

「ふーん…」

「で、答えは?」

「なーいしょっ」

「えー、何だよそれ」

それから、二人の間に沈黙が訪れる。

「…明日、やっぱり雨降るのかな」

「…多分、降るかな」

「…あたしもさ、楽しみにしてたんだ」

「…うん」

「雨だと仕方ないってわかってはいるんだけど、でも、さ」

「あれから、もう5年だもんな」

そう、僕らは5年前の明日、ある人と出会った。

その人は、僕らに楽しみを教えてくれた。

その人は最後に、5年後の明日もう一度会えると言って何処かに消えてしまった。

「あの人に、会えるかな」

「わかんない、でも」

「「きっと、会える気がする」」

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