お題:私と姫君 制限時間:15分 読者:34 人 文字数:393字

王子様は私がいい。
――姫。
いつか、そんな単語を聞いた。何でも、後輩たちが、浅木のことをそう呼んでいるそうで。
そりゃあ、ガワだけ見れば姫と言いたくなるかもしれない。
「こら、寝るな」
こん、と頭をノックする。栗色でふわふわの、それこそお姫様的な髪が揺れる。
「ええー……寝てない……寝てないよ……」
頭を上げた浅木は、割とひどい顔をしている。特に目。こんなのでよく、姫と呼ばれて否定しないな、と思うけれど。
この姫、明日の古典の予習が出来ていないとかで、夜になって泣き着いて来た。家まで。来たのは夜の八時。姫なら姫らしく、もっと淑やかにふるまえないものかと、頭を抱えたくもなる。
私相手なら、まあ斜向かいのご近所同士、別にどうってこともないらしいけれど、こんなの知られたら憧れが崩れそうだ。いや、寧ろこれだとギャップがあって可愛いのか。
ともあれ。

王子様は、私がいい。
それだけは譲りたくなかった。
作者にコメント

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