お題:灰色のぬくもり 制限時間:15分 読者:19 人 文字数:773字

灰色のぬくもり ※未完
 鼻を指でつまんでもなお入り込んでくる悪臭。視界の4割がそこら中にあるゴミで埋め尽くされる景色。嫌に暴力的なまでの静けさ。たまに音がしてもそれは大抵一方的に暴力を振るう人間の鳴き声や殴り合いのものである。その全ての要素を詰め込んだのがここ、私が住んでいるスラム街だ。
「おい、ガキ。食いもんよこせ」
 何もせず、呼吸も最小限にしているというのにも関わらず理不尽にいろんな人たちに絡まれる。ある日は食べ物を強奪され、ある日は家の材料を無理やり壊され持って行かれ、ある日はただただこの身を嬲られる。そんな日々に疲れ私は死のうとしていた。
「ふう……」
 スラムで一番高い建物の屋上に忍び込み、柵の外側へと。向こう側から見る景色はいつもと特に変わった点はなく、相変わらずクソみたいな街でクソみたいな人間たちがクソみたいに暮らしているだけ。誰が何をしても何もしなくても世界は変わらず、スラムの外の美しい街並みが変わってもここだけは切り離されたように変わらない。外の街が火の海に変わっても、立派な門構えの家に人々が殺到していっても、街のそこら中で血の花が咲こうともここは変わらない。そんな事実に私はもう疲れた。こんな代わり映えのない世界で生きてたってなにかあるものか、そう思い足を一歩前へ踏み出した。目を閉じ、これから起こるであろう未来を想像する。きっと体はぐちゃぐちゃになって地面に汚い茶色の花を開花させるのだろうと衝撃を覚悟した。が、いつまでたっても体が落ちていく感覚はなかった。
 恐る恐る目を開けると、私の体は浮いていた。灰で煤けたような顔色を男に助け出されていたのだ。
「……余計なお世話」
 そういい、手を離して貰おうと身をよじらせるが男の力は想像に反し、どんどん強まっていく。
「落ちる前にちょっとだけ、お茶をしないか」
 男の口から放たれた
作者にコメント

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