お題:不幸な太陽 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:422字

カクレミノ
コップに入った水道水。そこに牛乳一滴垂らしても、白く染まることはない。霧散して、間もなく消えてしまうだけだった。
だから、私は重ねることにした。
髪は短く、明るい色に染めた。
化粧を覚え、ワンピースを好んで着るようにした。
口調を変えて、笑顔を作ることにした。
そうしてできた私が今、鏡の前に映っている。
ーーやっぱ似るもんだね。
思わず苦笑する。同じ日に生まれたというのは伊達ではなかったらしい。
外身は恐らく大丈夫。あとは立ち振舞いさえ気を付ければ問題ないはずだ。
「……よし」
私は化粧室を離れ、目的地へ向かう。
やがて辿り着いた病院の一室、その扉を開けた。
彼は窓辺で景色を眺めている。
「陽、お見舞いに来たよ」
できる限り軽やかに、気負わずに。それが今の私のはずだ。
彼がこちらを向く。そして言った。
「おはよう、梓」
口にしたのは姉の名前。私はひどく安心した。

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