お題:今日の策略 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:773字

無策 ※未完
ぱきっ。

硬質な音が、部屋に響いた。扉を閉めているからか、あるいは自分意外に誰もいないからか、音がよく響く。

ため息を吐く。そうして、目を開く。
目の前にあるのは白紙の原稿と、芯の折れた鉛筆。
どうしたものかと首をひねっていると、ノックの音が鳴る。
一瞬の躊躇いのうち、返す。

「入れ」

軽く会釈をして入ってきたのはシキだ。

「やあ、その後調子はどうですか」

口調とは裏腹に、明らかにこちらを見下す態度だ。

「悪くないよ。良くもないが」

体調は悪い。ただ、関心が無いだけ。

「そうですか。ところで、例のものは」

シキは部屋を見渡す。

「ああ、用意してる。どれだったかな」

机の引き出しを開け、ぱらぱらと重ねられた紙に指を走らせる。

「ああ、いいんです。用意してあるならそれで。あとは私が探しますから」

慇懃無礼で高慢なシキが言う言葉に驚きつつ、まあ楽ができるならいいか、と手を止める。
探すときの注意でもしようとシキのいる方を振り向き、

「どういう、つもりだ」

銃口と、目が合う。

「さあ。用済み、ということですかね」

くすっと笑う。目だけが、変わらない。

「弱ったな。まだ遺書がかけてないんだ」

ひらひら、と手元にある白紙の原稿を振る。

「残念ですね。こちらも時間がないもので。あなたが死んだあとに代筆いたしましょう」

「忙しい、ねえ。じゃあ、さっさと引き金を引けばいいのにな」

時間は大丈夫だろうか。あと、どれくらいもたせればいい。

「抵抗、しないんですね」

訝しんだ声。

「無駄だろ。あんたはもう構えてる。俺が今からなんかしようとしたところで、動き始めたときには死んでる、だろ?」

「まあ、そうですけど」

それでも引き金は引かない。

「まだ心配事があるのか」

「当然でしょう。いち
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