お題:楽しい小雨 制限時間:15分 読者:26 人 文字数:868字

雨の日
「雨止まないね」
「そうだね……。ねぇあのこたちいつまで遊んでるんだろう?」
 教室の外は小雨。その中を小学生っぽい子どもたちが走り回ってる。
「雨止むまでじゃない? ほら私たちも小さい頃は濡れるのが楽しかったじゃない」
「楽しかったかなぁ……うーん」
 頭に浮かんだのはほのかに笑う彼女の姿。
「なんで赤くなってるの?」
「濡れたらエロそうだなって思っただけだよ」
「えっち」
 エッチなのは仕方ないじゃないか。健全な男性生徒、日々いろんな煩悩の支配される。そこであんなことやこんなことを思い浮かべながら自己充填するのだ。そう考えるとエッチというのも悪くない。夢の中ではいろんな犯罪を試せるのだから。
「……無言にならないでよ。反応に困る」
「ふと思考したくなってね。あれ、体育教師じゃない?」
 話を切り替えようと、外へ意識を向ける。そこには体育教師が小学生に何かを言ってるようだった。
「遊んじゃダメってことはないからなんだろう?」
「危ないからとかじゃない? 雨で地面が泥濘むんでるし、滑って怪我をしないようにとか?」
 ドロは意外と滑りやすい。その中で走り回ってれば自然と転ぶこともある。
「まぁでも……楽しんでる子どもに何をいったところで無駄だと思う」
「そうだね、窓閉めようか」
 そういって彼女は窓を閉める。風が吹き付けて窓に水滴がすぐについた。
「私たちもそろそろ帰ろうか」
「濡れて透けることになるぞ」
「その時は君の上着をもらうよ」
 彼女は楽しそうにはにかむ。
 これが太陽の下であれば、ヒマワリに錯覚したに違いない。
「風邪ひいたら責任とってもらおうかな」
「看病ぐらいしてあげるよ。でもまぁ妹さんに邪魔されるかも?」
 人差し指をたてる彼女はどことなく気まずそうな顔をした。
「あいつがいない時にくればいいさ。まぁ……帰宅部のあいつがいない時ってのはかなり限定されると思うけどね」
「なら、風邪ひかないようにしてよ」
「雨の中傘ささずに歩くんだから難しい」
 そうだねと笑いあい、そのまま玄関口まで向かった。
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