お題:メジャーな彼氏 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:764字

きらきらと溜まる
何となく、私は一人でいいと思う。
いや、一人でも良かったのかもしれないと思っている。
そう思っているだけで、実際は愛する彼がいて、恐らく何事もなければこのままいずれ結婚もするのだろう。
けれど、私は一人でも生きていけるのかもしれない。むしろその方がいいのかもしれない。
彼を愛することをせず、彼の帰りを待たず、彼が今誰として何をしているのかなどと興味を持つこともなく、そうして一人で生きていってもいいのかもしれない。
大体、彼は今、誰と一緒にいてどこで何をしているのか、私は詳しく知らないのだ。
私の彼はいわゆる芸能人である。
なんだか軽い告白だけれど、芸能人って肩書きは得てしてそういうものな感じがする。
そこそこメジャーな彼氏を持つ私としては、結構な広い心で付き合っていかなくては身も心も持たないのだ。
どこで誰と何をしているのかなんて聞こうものなら、確実に自滅する。恐らく彼はおしゃれな場所でキラキラ輝く女性と雑誌の撮影などというこれもまたキラキラ輝くことをしていたりするのだから、小さな会社の事務員である私は想像だけで自滅できる。
わぁって、すごいなぁって、純粋に目を輝かせてあげたいけれど、自分との違いに驚愕してしまうからきっと純粋に輝けない。
そう、輝けないのだ。
だから思いきって、別れを切り出した。彼は静かに私の話を聞いて、じっと目を見つめ、私の手を握った。
小さく、優しい声で私に聞く。
「それで、お前はどうしたいの」
私は涙をひとつだけ流し、やっぱり小さな声で答える。
「別れたくない」
そうして私は自滅し、彼は私を抱き締めた。
彼は見ただろうか。私が目に涙を溜めているところを。きっときっと、目に溜まる涙の粒で瞳は輝いて見えたはずだ。
これで少しは近づくことができただろうか。
輝くあなたと、そうでない私。
作者にコメント

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