お題:猫の窓 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:435字

猫への謝罪
「なんで猫が家の中にいるんだ?」

 愛猫で、さぼトラのペレが絨毯の上に座って、蒼い目をこちらに向けている。家の中には決して入れないようにしていた。室内が汚れることを妻が嫌がったためだ。つい1時間前には庭で虫を追いかけているのをリビングの窓から確認した。ドアはひとつしかない。だれも出入りしていない。妻も今日は朝から不在だ。どの窓も締まっている。まさか秘密の抜け道でもあるのか。考えられない。ペレが家に入るのは子猫のとき以来だ。

「ペレ、お前はいったいどこから入ったんだ」

 僕は窓の外に目を向けた。そして再び猫に目を移すと、殺風景な絨毯があるだけだった。
 その夜、餌の時間になっても猫は戻らなかった。一週間たっても戻らなかった。妻が日に日に元気をなくしていった。悲壮な表情で外を見つめた後、泣き崩れた。

「私のせいよ・・・私が入れてあげれば。ごめんね。本当は中で一緒に暮らしたかったんだね。」

 ペレは、どんな思いで、庭からこの窓を見つめていたのだろうか。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:誰でもない誰か お題:猫の窓 制限時間:2時間 読者:105 人 文字数:1470字
引っ越した先ではこれまで住んでいた場所の窓よりも大きかった。カーテンを合わせて見ると数十センチメートルほど長さが足りなくて、どうしようかと悩んではみたものの新 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:春の躍動 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:1059字
もう四月も半ばを過ぎるというのに雪がちらついている。 気まぐれな春の天気というわけではない。この辺りは、ずいぶんと長い間冬を引きずっていた。 この年になってか 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:でよんし お題:緑の水 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:190字
女子学生を中心に爆発的人気で連日長蛇の列が止まらない人気店があるそうだ。何でも緑色の水を出すお店何だそうで...それで緑の水ってじゃあ一体何なんだ? お茶でもな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:イタリア式の映画 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:320字
愛している、とか聞こえたかもしれない。友人がイタリア映画が見たいとかわけわかんないことを言うからそんな感じのやつを借りてきたらがっつり恋愛映画だった。同性と騒 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:akari お題:不幸な太陽 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:422字
コップに入った水道水。そこに牛乳一滴垂らしても、白く染まることはない。霧散して、間もなく消えてしまうだけだった。 だから、私は重ねることにした。 髪は短く、明 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:四葉美亜@夢百合草庵 お題:煙草と町 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:373字
No smoking。大抵の場所に貼ってある、煙草に赤丸斜線のイラストを避けて、コンビニの前にいたけれど。これでは少々、絵面が悪いのかもな、なんて。ーーだから、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:猫の博物館 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:204字
「あれはなんです?」ぼくはある剥製を指差し聞いた.「なんでも"ネコ"という生き物だそうです.いまから百年前まではあちこちに生きていたそうです」「ふむ.猫というの 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:生きている電撃 制限時間:15分 読者:2 人 文字数:379字
午前4時。急に雨が降ってきた。土砂降りだった。深夜に一人でいると雨の音を聞くだけで、元気が出た。わたし一人ではないと思えるから、その音は好きだった。カーテンの隙 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:にいろちゃん@Vのモノ お題:戦争と夕日 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:324字
その日は、夕焼け空だった。あまりにも美しいその空は、先ほどまで起こっていたここでの惨状を忘れさせてしまうかのような、そんな空だった。人は争いあう。理由はいろいろ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:mee お題:明るい計算 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:934字
「きみはね、自分が多少、ユニークもしくは外れた者共、そして尖った人材といったやつについて、並外れた寛容さを示す傾向があるんだというところを自認していたほうがいい 〈続きを読む〉

茂吉の即興 小説


ユーザーアイコン
作者:茂吉 お題:戦争と夕日 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:380字
あの日が忘れられない。 賑やかで活気のあった街はたった一日で焼け野原となり、ところどころ焼け残った柱の影を沈みゆく太陽が長く伸ばしていた。点在する黒い柱と細く 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:茂吉 お題:明るい計算 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:326字
「もっと明るいところでやりなさい。目を悪くするわよ。」弱い白熱電球の下、炬燵の上に教科書とノートを広げて、勉強する小学生の私に母がよく言ったものだ。しかし、狭く 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:茂吉 お題:幼い食事 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:448字
病院の食事は味が薄い。 肺炎で入院したから一週間がたつ。 もともと濃い味付けが好きな僕は、ストレスが溜まっていた。 食事を運んできた看護婦さんに向かって暴言を 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:茂吉 お題:とんでもないキス 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:322字
「ねぇ、すごく気持ちのいいキスのやり方って知ってる。」彼女はいつも唐突なことを言う。さっきまで、宇宙の知的生命体の可能性について議論していたのではなかったか。僕 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:茂吉 お題:箱の中の青春 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:516字
確かこの辺に埋めたはずだ。 僕は、町の外れの森の麓へ行き、大きな樹の下の土を掘り起こした。50cmぐらい掘ると、ビニールに包まれた箱に突き当たった。箱の大きさ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:茂吉 お題:臆病な克服 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:423字
何かを克服するには勇気がいる。臆病な人間には無理だ。しかし、臆病な私でも克服できたことがある。 私はとにかく臆病だった。なかなか知らない人に話しかけられない。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:茂吉 お題:犬の秘部 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:360字
「あなたはわたしの犬よ。私の命令には絶対服従。いい子にしていたら、とっても気持ちよくしてあげる。」 ミサは首輪を付けられ、柱につながれた。目隠しをされているが隙 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:茂吉 お題:うるさい私 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:569字
子どものころはほとんど人と喋らなかった。喋る意味を見出せなかった。喋ることが楽しいわけでもないし、喋らなくても生活に困らなかった。しかし、大学4年になり、研究 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
女体の渦 ※未完
作者:茂吉 お題:怪しい躍動 制限時間:30分 読者:11 人 文字数:713字
未舗装の道路が山の間を縫ってどこまでも続いている。1時間に1回ぐらい、バイクがやってきては、砂ぼこりを上げて、町の方へ立ち去って行った。 ベトナム北部の山岳地 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:茂吉 お題:真紅の怒りをまといしコンサルタント 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:594字
20年務めた会社をリストラされた。40代半ばで妻子もいる身なのだ。 もともと上司からは嫌われていた。保守的な上司だった。目先の業務ばかりしていては、いずれこの 〈続きを読む〉