お題:腐ったデザイナー 制限時間:15分 読者:38 人 文字数:834字

 色とりどりの世界がこの世。
 一番綺麗だというのは、自分の血。流すのは簡単、でも痛い。少しずつ少しずつ針を通して、やっと出てくる。
 もっとバッサリと切ってしまえば気持ちいいのだろうか。
「……どう?」
 地べたに散らかる人だったものに尋ねても何も返ってこない。質問はいつからか答えが返ってこないものになった。
 最後に聞いたのはおばさんだったかな。
 とてもいい声をした人だった。喉笛を保存しておきたいぐらいなその音。僕には作れないモノ。けど、代わりにいいものをもらった。
 長い包丁。
 肉を削ぐのにちょうどが良かった。
 これでおじさんを削いだのだと思うとおばさんは酷い。コレクションは生きたままが一番。
「……ふにゃ」
 未だ鼓動をし続ける心臓を持つのは凄く心が躍る。この技術を確立させるのにかなりの時間がかかったおかげで僕はお尋ね者。追うものと、追われるもの。些細な違い。
 自分が好んだパーツを作って1人の身体を作り上げる。それが僕の夢でもある。赤でしか表現できない世界が見えてくる。その一滴に僕の血が混ざる。
 凄くいい。
「……持って帰る」
 臓器はお金になる。身体が死なない技術は売らないけど、死なない身体の部位は売る。残るのはいったいなんだろうか?
 血は流れ落ちてなくなってしまう。欲しいものは瓶に詰めてしまう。部位は切断されてしまう。
 傷か……。
 僕にもお母さんからもらった深い傷がある。
「……」
 右腕に稲妻が落ちたかのような曲線。醜いものだとナイフで削られた線。そして稲妻はお母さんの喉笛を掻ききった。
 そして僕は一人になった。
 お母さんの亡骸を見る生活が始まった。臭いは酷かったけど、釘を打ったり、水袋を入れたりして、元の姿を維持した。
 話せないって事実はそれでも解決できなかった。
 僕のお母さんが凄いと褒めてくれたおじさんは良い人だ。今でもお母さんと一緒に過ごさせてくれてる。いつか恩返しがしたい。
 
 そう恩返しを。
作者にコメント

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