お題:過去の血 制限時間:15分 読者:39 人 文字数:216字
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継承
左手首をかしげると、薄青い静脈が、すうと浮かび上がった。月明かりだけが窓掛け越しに照らす寝室で、ぼくは顔も知らぬ母親について思った。彼女のことは何も知らないのに、彼女から受け継いだ血が脈々とからだを巡っているのは、不思議な気分である。やがてぼくの血も、まだ見ぬ子へ、そして会うことのないであろう子孫たちへ繋がってゆくのだろうか。妙に現実味がなく、グロテスクな生という現象を目の当たりにしたようで、ぼくは身震いをしてさっと目を閉じた。
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