お題:疲れた夕方 制限時間:15分 読者:19 人 文字数:562字

たゆまぬ日常※ほんのりBL風味
 外回りから戻り伝票を書き上げるとフロアに残っているのは営業仲間ばかりだった。明日の朝イチで処理してもらおうと、付箋をつけて営業アシスタントの机に書類を置いておく。
「お先ー」
「おー、おつー」
 気怠い挨拶を交わしスモーキングルームへと向かう。
「お疲れさん」
「どうも」
 先客がいた。二つ上の先輩だった。
「珍しいですね。いつも定時ダッシュなのに」
「嫁が子供連れて里帰りしてるからなあ」
「それはそれは……鬼の居ぬ間にってヤツですか?」
「ばあか」
 フィルターを噛んで笑う。その顔に疲れが見えた。
「いればいたでうるさいんだけどさあ、いないとこれが寂しい訳よ」
「そんなもんスか?」
 俺もタバコを振り出して銜えた。
「お前独り暮らしだっけ?」
「……いえ、友人とシェアを」
「だっけか。そーいやけっこういいとこ住んでたよな」
「まあ」
 火をつける。
「いいよなあ。独身貴族。野郎同志の共同生活なら気を使うこともないだろうし」
 ふうっとお互い煙を吐く。
「でもいてる人間がいないと寂しいだろ?」
 少し考えて頷いた。
「そーっスね」
 そんな話を交わして帰る。

 自分以外の靴が無造作に置かれた玄関。料理と洗剤の混じった雑多な香り。生活の匂い。
「ただいま」
「おかえりー」
 いつもと同じ光景にほっとした。
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