お題:ナウい闇 制限時間:2時間 読者:13 人 文字数:321字

海底、地の底、地獄の底
ゴボゴボとあぶくが落ちていく。
殺人の末の逃走だった、どうして逃げているのかすらわからなくなるほど擦り切れた私の、死の間際の小さな抵抗。
結局、延命じみた逃走劇は追い詰められた断崖絶壁で終わった。

7月終わりの夜の海は、思っているより冷たい。
柔らかな闇が眼下に広がっている。
海流に揉まれて崖にたたきつけられると思っていたが、海は優しく無慈悲に底へ底へと私を呑む。

そういえば、あの人を殺して捨てたのも海だった。
逃げるさなかも、今でさえ、私を苛んで止まないあの人。
今だって、見えているのに。
いつも通りの微笑みを浮かべたあいつ、何もかも持っていた、一方的に殺した宿敵、愛する天才。

私は、あなたを

声は届かず、闇に紛れて消えた。
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