お題:限りなく透明に近い整形 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:422字

兄の主張※ほんのりBL風味
 その変化はあまりにも小さく、俺はまったく気づいていなかった。
 十歳年下の友人の弟。
 出会いは高校の頃。子供はまだ小学生だった。男とも女ともつかない幼児らしい愛らしさは見ていて楽しかった。一人っ子で弟妹のいない俺に懐く様子は面映ゆく、お兄ちゃん、お兄ちゃんと慕われるのは悪くない気分だった。
 高校、大学、社会人と、年を経るごとに友人との付き合いは疎遠になったが、切れることはなく細く長く続き、その弟ともごくごくたまに会うことはあった。
 その日、混雑した電車内で弟を見かけた。
 俺の視線に気づいた相手と目が合う。その隣りには先輩らしき男子がいた。
 むかし俺にしたように懐いている様子に気を許している相手なのだと分かったが、なんとなく面白くない。甘えの中の媚態に気づいたのは俺が第三者の立場になったからだ。そしてそれに気づくということは
 いつか子供も大人になるのだと分かっていなかった。願わくはいままで通り俺だけを見ていてくれないか。
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