お題:マイナーな接吻 制限時間:15分 読者:33 人 文字数:537字

回り続ける無償の愛
 文字にすれば1LDKの城には、大きなテレビが置かれている。プロジェクションなら100インチでも珍しくないかもしれないが、この城のリビングにあるのは、壁一面の有機ELテレビだ。音響設備も、考えられる範囲で最高の物を揃えた。ただ、あの人と愛し合う為に用意した、最高の城だ。食事など外食でいい、寝室は眠れれば充分、でもリビングにはこのテレビとスピーカー、最高のプレイヤーが必須だった。その為にこのリビングが広い単身者向けマンションを探した。
 今日も、テレビの向こうであの人が話す。歌う。踊る。それは、カメラへ向けて行われた笑顔であり、共演しているタレントに送られた言葉でしかない。だが、それがこうして最高の状態でこちらへと共有され、世界中に広がっていく。あの人の、たった一人の行いが、世界中の熱狂者を平和へ導く、最高の時。ここに性欲など存在せず、ただ無償の愛しかない。そう、熱狂者からあの人への、ただ幸せでいてほしいという無償の愛と、あの人が世界へばらまく、無償の愛。ただ、その循環にお金という動力が必要なだけだ。
 口付けだの性交だの、必要ない。この城にいると心のそこから思えるんだ。ああ、あの人を知る事が出来て良かった。どうかこちらを認識せずに、微笑み続けて欲しいものだ。
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