お題:不屈の人間 制限時間:15分 読者:30 人 文字数:1266字

大活躍! 不屈マン!
 街に火を吹く大怪獣・バラゴランが出現した。
 バラゴランは全高50メートルを超す巨大怪獣だ。頭には角が生えており、尻尾を引きずって歩きまわる姿は、正に怪獣といった容姿だ。食道の下に燃焼ぶくろと呼ばれる器官を持ち、口から火を吹くことのできる、ポピュラーな地球怪獣であった。
 このバラゴラン、これまでも全国各地の都市に現れていたが、そのたびに宇宙から来た何とかマンとか、数千年の眠りから覚めた○○ラみたいな怪獣にすぐに破れるため、あまり被害はなかった。
 そのため、人類は侮っていたのかもしれない。この大怪獣を。

 バラゴランだ。
 遠くの山を崩して姿を見せた怪獣に、わたしは心を躍らせた。
 まさか、わたしの住んでる街にやってきてくれるとは。
 わたしは怪獣が好きなんじゃない、怪獣を倒すヒーローが好きなのだ。
 きっと、このバラゴランを倒すために、宇宙から銀色の巨人が来てくれるに違いない。
 そんな期待を胸に、ゆったりと近づいてくるバラゴランを観察していると、わたしの目の前に一人の男性が現れた。
 ボディスーツにマントをつけている以外は普通の成人男性といった容姿で、わたしの好きな銀色の巨人というよりかは、アメリカの方のスーパーなマンの方に近かった。
「えーと、もしかしてバラゴランを倒しに来てくれた方ですか?」
「そうだ。私は不屈マン。不死身の戦士だ」
 すごく適当な名前だな、とわたしは内心がっかりする。やっぱり東京とか大阪でないと、有名なマンはきてくれないらしい。
「不屈マンさんは巨大化できるんですか?」
 できたら帰ってくんないかな、それでウルトラな方のマンが代わってきてくれないかな。そんな一縷の望みを込めてわたしは尋ねた。
「できない!」
 きっぱりと不屈マンは言い切る。
「じゃあ、危ないですよ。相手は火を吹く大怪獣ですよ?」
「そうだな。だが、私は不屈マン。不死身の戦士だ」
 何でまた自己紹介を繰り返すの? とわたしは若干疑問を覚える。
「不死身だから、バラゴランがいくら巨大でも殴り続ければ倒せる。何せ、相手は私を殺すことができないのだからな」
 滅茶苦茶な理論だ。
「できたら、巨大化できる人に代わってもらえますか?」
「そんな暇はない。巨大怪獣との戦いは、時間との勝負だ!」
 うんざりするような戦法をとるくせに、時間との勝負とはよく言ったものである。
 わたしが止める間もなく、不屈マンは「行くぞ!」とバラゴランに向かって行った。

 結論から言えば、不屈マンは勝った。
 不屈マンはバラゴランとの戦いで256回死んで、全身のすべての骨が折れたが、すべて再生して五体満足で帰ってきた。
 しかしながら、彼が帰ってきた場所は更地になっていた。
 何せ、不屈マンはバラゴランを倒すのに5日もかかっていたから。巨大怪獣が思うさま暴れたせいで、わたしの街は地図から消えたのだった。
 これがバラゴランの恐ろしさ……いや、違う。いくら言い繕っても違う。
 不屈マンの恐ろしさ、そう言った方がいいな、うん。
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:氷樹 お題:不屈の人間 制限時間:15分 読者:105 人 文字数:273字
ぴんと伸ばした背中。遠くを見つめる強い意志を宿した瞳。地に根を生やしたようにしっかりと立つ足。簡単には屈しないあなたを構成する、そのどれもが私にとって全てであり 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:俺は病気 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:448字
朝、目がさめると、壁が目の前にあった。 いや、壁ではない。少し視線を動かしてみると電気が付いている。寝ぼけた頭でもわかる。これは天井だ。 はっきりと目が覚めて 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
不器用な嘘 ※未完
作者:谷矢チカフミ お題:賢い嘘 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:446字
不審そうな視線に笑顔を返せば、結局は誰も口出しをしない。忠義だの恩だのと言う者達は、主のお気に入りである参謀の私に口出しは出来ない。笑いながらお決まりの言葉を 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者: お題:最弱のサラリーマン 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:1071字
静まり返った街中を、レールを軋ませながら電車が走り抜ける。酒で酔って寝ている人、大声で喋る化粧の濃い女性、疲れ切った顔で携帯を見るサラリーマンの群れ。私もその中 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
トラブル回避 ※未完
作者:にい お題:弱いゴリラ 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:886字
真正面から歩いてくる男と目が合ったとき、喧嘩をふっかけられると直感した。血に飢えているやつは目でわかる。そして大体、野獣のような顔つきをしている。幅の狭い道だ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:弱いゴリラ 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:396字
威嚇された一頭のゴリラがすくみ上って、こちらに向かってきた。「今回も、失敗ですね」「うーん、ちゃんと自分を主張できれば、他のゴリラに引けは取らないはずなんだけ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:茂吉 お題:猫の窓 制限時間:15分 読者:7 人 文字数:435字
「なんで猫が家の中にいるんだ?」 愛猫で、さぼトラのペレが絨毯の上に座って、蒼い目をこちらに向けている。家の中には決して入れないようにしていた。室内が汚れること 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
信頼の価格 ※未完
作者:匿名さん お題:高い税理士 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:370字
誰かが言った。「同じ仕事を頼むなら安いほうにするよ。」別の誰かが言った。「そんな金額、払えるか!」そんな言葉を何度聞いただろうか。高い税理士。それが俺の世間での 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李@いい日旅立ち お題:アルパカのにおい 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:884字
お前の眠る部屋は家にないからと両親に追い出された俺が向かった先は、子度の頃から一緒に育ったアルパカたちの小屋。アルパカたちは俺を歓迎してくれるようで、キレイな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:アルパカのにおい 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:1073字
「ということで、私たちはこの『アルパカのにおい』を発売することにした」「はあ、そうですか」「で、キミはこれの営業に行って貰いたいのだが」「はあ、わかりました」「 〈続きを読む〉

雨宮ヤスミの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:俺と帝王 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:1144字
そいつはディフォルメされたコウモリのような見た目をしていた。身長は50センチ程か、キャラクターグッズとして発売されていたら、女子中学生が目を輝かせて「かわいい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:賢いガールズ 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:1043字
「これ見てくれよ……」 サワダはそう言って自分の右手の甲を指し示す。毛だらけの手の甲には、ぽつぽつと何か針で突かれたような傷跡がいくつもあった。「どうしたんだ、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:未来の信仰 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:1082字
「未来の世界ではすべての宗教は消滅しているだろう」 とある学者が発表したこの言説は、消滅を言い渡された宗教界から激しい反発を受けることになる。「そういうところが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:苦いぬるぬる 制限時間:15分 読者:28 人 文字数:1256字
男の子の出す白いアレを、わたしは飲んでみたいと思っていた。 その話をすると、訳知り顔でユリはこう言った。「あんなの美味しいもんじゃないわよ。苦くてさ、蕁麻疹も 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:宿命の家事 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:1165字
「わたし、家事がトクイなんですよねー」 彼女はにこやかにそう言った。 なるほど、それは褒められるべき能力なのだろう。しかし、それをアピールする場面は今ではない。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:メジャーな本 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:1377字
「この本はとてもメジャーな本なんですよ」 そう言って後輩が持ってきた本は、聞いたことのないタイトルだった。「『星屑の物語』……。作者は、……誰?」「知らないんで 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:きちんとした星 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:1143字
「先生、きちんとした星が描きたいんだけど……」 自由帳を持ってそんなことを言ってきたのは、この1年2組の中でも物静かな外村くんだった。この子が自分から話しかけて 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:燃える宇宙 制限時間:15分 読者:27 人 文字数:1213字
アリサは三好くんのことが好きらしい。 よりにもよって三好くんかよ、と思わなくもないわたしは、とりあえず理由を聞いてみた。「顔。あと、背が高い。運動神経もいいし 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:俺の駄作 制限時間:15分 読者:37 人 文字数:1192字
「駄作ですが、どうぞ読んでください」 とんでもない文面で来たな、と俺はSNSの画面を見て唸った。 この短文投稿SNSでは、ハッシュタグをつけて素人のWEB小説を 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:賢い絵描き 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:1219字
知り合いが「とてもいいモノを買った」と自慢してくるので見せてもらうことにした。 この知り合いは同人で漫画を描いていて、それにとても役に立つものらしい。 そんな 〈続きを読む〉