お題:天才の夏 制限時間:30分 読者:15 人 文字数:456字

あだごと ※未完
「身辺整理をしようと思うんだ」
 唐突な琢海の発言に、私は思わず呆けた顔を見せてしまった。
「……何かあったの?」
「特には。けれど、色々と煩雑になってきたから一度奇麗にしておこうと思って」
 訳の分からないことを大真面目に口にする琢海。聞いているこっちはどんな顔をすればいいか分からない。これだから頭のいい奴は。
「どうでもいいけど、部屋の片付けぐらいで済ましときなよ。あんたの母さんまた倒れるよ」
「そこまで気苦労をかけてるつもりはないんだけどな」
「少しは常人に気を遣って。お願いだから」
 去年の夏休み、琢海は人知れずロシアへ旅行に行った前科がある。失踪事件として警察沙汰にもなりかけた。彼の母親が見せたあの取り乱し様は、今でも忘れられない。
「一応訊いてあげる。何するつもり?」
「とりあえず人間関係かな。ちょっとややこしくなってきたし」
「それ、元はといえばあんたのせいだからね」
「別に、僕は思ったことを指摘しただけだよ。至って普通の行いだ」
「朝礼で校長の不倫を暴露することは普通とは言わない」
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