お題:淡い女の子 制限時間:30分 読者:35 人 文字数:821字

物語の中と現実
教室の窓側にふと目をやると1人の少女が黙々と読書をしていた。
あの子はいつも1人で読書をしている。
誰とも話さずに。
僕は何故だか気になってしまった。
どんな本を読んでいるのか
何が好きなのか
これがただの好奇心なのか
それとも芽生えた恋心なのか。
僕は知りたくなったのだ。あの子のことが。

考えるより行動が早し
試しに話し掛けてみることにした……いところだが
想像以上のドキドキが僕に襲いかかってきて足が前に進まない。
読書中に話し掛けたら邪魔かな?とか話し掛けて反応して貰えなかったらどうしよう…!とか色々と考えてしまうのだ。
それでもなんとか足を動かし声をかけてた。
「あ……」
少女は驚いたような顔で僕を見た。
ごめん!邪魔しちゃったよね……と言うと
「こちらこそ、本を読んでる時周りの音が聞こえなくなるから……もしかして何回も私に声掛けてた?」と少女は言う。
いや、1回しか掛けてないよ!と僕は説明をし
毎日どんな本を読んでいるのかなって気になって
と、本の話題を切り出した。
「よかった……無視してなくて……」と少女は安堵し
少しだけ表情が明るくなり本について語りだした。
「色々な本を読んでいるよ。サイエンス・フィクション、ミステリ、ファンタジー、一般文芸からライトノベル、本当に色々」
凄いな……本当に幅広く読んでいるんだね。
と返すと
「本はね、色々な事を教えてくれるの。現実から連れ出してくれるの。ファンタジーを読んでいる時、私はそのファンタジーの世界に居るしミステリを読んでいる時は主人公と一緒に犯人を探して推理してるの!」

少女の明るい表情から見て取れるように相当本が好きだということが伝わってくる。
一見目立たない子だなと思っていたが、喋らないとこういう所って分からないし喋ってみるもんだなと思った。

―― 少女はページをめくる。
私はきっとこんな人を待ってるんだ。

教室で1人、今日も本を読む。

END
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