お題:ありきたりなコメディ 制限時間:30分 読者:21 人 文字数:697字

しぶしぶ ※未完
 笑わせてやろう、そう思った。
「………」
 ブランコで項垂れている少年。地面に届かないその足をぶらつかせもせず、ただその場に座りこんでいる。
 ――しけた面。
 彼はくすんだ仏頂面をしている。いつ見ても変わらないその表情に、私はさすがに飽きが来ていた。この公園は私のお気に入りだというのに、こんな気が滅入る銅像があっては困る。
 ――どうすりゃ笑うかな。
 金もスマホも親から取り上げられている今の私は頼れる物がない。とっておきの一発ギャグ、みたいなものがあればよかったが、あいにく持ち合わせがなかった。
 ――とりあえずくすぐってみようか。
 さすがのこいつも生理現象には逆らえまい。この鉄面皮を剥がすのにそれが一番手っ取り早い方法だと思えた。
 方針が決まった私は立ち上がると、視線を下に向けたままの少年の元へ忍び寄る。
 そうして彼の身体に手を伸ばそうとした、その時。
「何やってるの?」
 少年がこっちを見た。さすがに気づかれるか。
「しょぼくれてるから。笑かしてやろうと思って」
 私は率直に答える。すると、少年は顔をしかめた。
「余計なお世話だよ」
「別にあんたのためじゃない。目の前で沈んだ顔されてるとこっちの気が滅入るの。なんとかしてくれない?」
「できるならとっくにしてるよ」
 話は終わりとばかりに少年は視線を切る。それは困る。私の目的が果たせていない。
「話を聞いてあげようか? 人に話せば気持ちが楽になるって言うし」
「別にいいよ。お姉さん、話し甲斐がなさそうだし」
「これでも聞き上手なんだけどな」
 それは本当だ。何せ毎晩母親の口を聞かされているのだから。なぐら
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