お題:恐ろしい味 必須要素:右ストレート 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:623字

それが林檎の呪いだ。
アダムとイブは林檎を食べた。それはとても美味しくて恐ろしい味だった。

今まで何も考えず、毎日好きなことをしてのほほんと暮らしていた二人は、途端にそれだけでは

満足できなくなった。

もっと美味しいものが食べたい。どこかもっといい別の場所に行きたい。別のことをしたい。

二人の脳内には欲が溢れかえった。

そんな二人に神は右ストレートを打った。

「「いてえ!」」

「だから食うなと言っただろ!」

神は怒鳴った。

そして言葉を続ける。

「お前たちは知識を得たことで、欲を持ってしまった。「比べる」という概念を

手にしてしまった。それを持っていると永遠に幸せになれないんだ」

アダムは神に言った。

「今までこんな何もない場所を楽園だと思っていたなんて・・・
あなたが呪ったのですか?」

「呪ったわけじゃない。まだわからないのか?そう思うのもお前達が知識を得たからだ。

知らないままでいれば、そんな感情も起きなかったのに・・・」

神は頭を抱えた。

イブは言った。

「私たちはここを出ていきたいと思います」

アダムも言う。

「もっといい場所に行って幸せを見つけます」

神はため息をついた。

「勝手にしろ」


人間は「比べる」という概念を手にしたことで、幸せを感じることが難しくなった。

今でも誰かと比べることで多くの人間が不幸になっている。

自分は自分と思っても、つい人と比べてしまうのが人間なのだ。




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