お題:遅いアルパカ 制限時間:15分 読者:30 人 文字数:830字

競走ラクダ
 育成計画は産まれる前にしておくことであって産まれてからじゃ遅い。
 競走馬が血の遺伝を持つように家畜も同様に遺伝する。
 だが、
「どうすんだこいつ」
 放牧場に一頭だけ残ってるアルパカを指差し講義する。
「どうするもなにも飼っておくしかないでしょ」
「グループに入り込めず、かといって競争ラクダにもなれないのに生かしておくのはどうなんだ?」
「なら食べる? ラクダのお肉って美味しいみたいよ。アルパカは聞いたことないけど」
 食べるか……。
 間抜けそうな顔したやつが肉になるとどんな味がするのだろうか。いや……間抜けそうな味がするのだろう。
「うーんちょっと調教変えてみるよ。ダメ元だけどね」
「あぁ頼む。ダメだったら友だちに譲ることにするよ」
 とりあえずメールでも送っておくか。あいつなら変えられるかもしれん。
 うちは……競争ラクダの育成はあまり上手く行ってないのは事実。遺伝する血もよくない。もっと優秀な血を入れられればいいのだが資金不足。
 大舞台での勝利は遥か遠く、有名なラクダ主でもない。よくてあいつが持ってるラクダの血を混ぜるくらいだがそれだって限度がある。
「どうしたら上手くいくんだろうな」
「どうでしょうね。調教としてはまずまずなんですけど、レースとなると……」
 気まずそうな顔をされた。
 自分が力不足だという認識があるのだろう。こちらとしては安い給料でよく残ってくれてるという感じであって不足とは思ってない。
 少なくとも勝てないラクダを育ててるわけじゃない。こないだのレースでは勝利することができたのだから悪くない。
 あるとすれば、俺のセンスかもしれない。
「環境を変えるというのも手ですがいかんせん時期が悪いような気がします」
「草ぼうぼうだものな」
「はい。業者が入ってもまたすぐに伸びてしまいます」
 はぁと二人のため息が重なった。
「母体の様子を見てくるよ」
 そういって俺は妊娠してるアルパカの小屋へと向かった。
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