お題:美しい、と彼は言った 必須要素:豊胸手術 制限時間:15分 読者:36 人 文字数:1225字

イヴみたいなもんだろう
目を覚ますと、明るかった。死ぬほど明るかった。あと体が動かなかった。何だ何だ何だってなった。
「あ、おはよう」
視界にすごくわかりやすく怪しい男が入り込んだ。わかりやすいっていうのはつまり、白衣でマスクでメスとか持ってて、頭に8センチCDみたいな円盤を付けたバンドをしているっていうこと。わかりやすい。クラシック。

「今手術中だから静かにしててね」
男はそういうと視界からいったん消えた。体が動かないのはどういうことなのか?手術中とはどういうことなのか?それが聞きたかったが、声が出ない。指の一本も動かせない。

「すごい事故でねえ」
すると視界の外から男の声が聞こえてきた。
「バスが横転して崖から落ちたんだよ。他の人はみんな死んだ、君だけ生き残っている」
そんなことが実際にあるんだ。バスに乗っている記憶はあったが、途中で寝てしまったので覚えていない。あのバスが崖から転げ落ちるなんてそんなことあるの?自分がのったバスが転げ落ちるなんてそんなことある?

「で、君ももう死ぬ直前だったけども、僕が治療してるんだよ。今、体が動かないのは麻酔もあるし、体の骨が全部折れているっていうのもある。それはもうフードプロセッサーに入ったみたいな感じだったんだけど、何とか一命はとりとめたみたいだねえ」
聞くに任せていると、つい先週まで生命維持装置に入れられていたらしい。とにかく手術もできるような状態ではなかったとのこと。逆にどうして生き残ったのか不思議だった。フードプロセッサーに入れられたわけでしょ?もうぐっちゃんぐっちゃんじゃん。

「不思議なこともあるもんだねえ」
男の声はそれだけで、すべてを丸め込もうとしていた。不思議なこともあるもんだ。それで全部を納得できるか?無理だろ。

「でも、実際君は生きているわけだし、まあそういうこともあるんだよ」
確かに。そういわれるとまあ。

「じゃあ、今から豊胸手術をしまーす」
物思いにふけっていると、急に男のトーンが変わって、テンションが上がった感じがあった。

「え?」
とは思ったけども、でもしゃべれないし、動けないし、きっとここでそれを拒否したら死ぬ以外ないだろうし、もともと覚えている限り、僕は男だったけど、でもまあ、昨今死んだら異性になるっていうのはなろうでもよくあるパターンのようだし、死んで異世界に行ったら女性になるとか、そういうのもスタンダードの部類に入っているだろうし、とにかく目で訴えるとかそういうことはしなかった。

成すがまま。なるようになる。そう思うことにした。

おちんちんのことは一瞬は考えたけども、おちんちんやふぐりのことは考えたけども、でもフードプロセッサーに入ったみたいになっているんだとしたら、まあなくなっていたりもするのかもしれない。

だからもう何も考えないようにした。

僕の胸をDカップにして、乳首もつけて、造形にもこだわって、

「美しい」
と彼は言った。
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