お題:理想的な父 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:444字

伝説の狙撃手 ※未完
「ターゲットの絶命を確認」

「こちらでも確認。急ぎ離脱しろ」

私が引き金を引き、標的の頭に深紅の華が咲く。発見は10分以内の予定、逃げおおせるには十分な時間だ。

「セイバー、一つ残念な知らせが入った」

「何か?」

相棒を収めた大型のバッグを担ぎ、ビルからビルへひらりと飛び移りながら、片耳のインカムを押さえる。

「貴女の父上、シューターが亡くなった」

思わず体が強張り、危うくビルの淵を踏み外しかける。

「もう一度言ってくれ」

「貴女の父は、死んだ」

体から血の気が引いていく。しかし、狙撃手として父に叩き込まれた本能が、私の体を狙撃場所から遠ざける。

「遺体は回収した。どうか無事に帰ってきてくれ、セイバー」

厳格を絵に書いたような性格だが、私がこの道を志すのを最後まで拒んでいた父。自らの仕事に巻き込まれて命を落とした母を抱き抱え、涙を堪えていた父。父がいなくても私が身を守れるようにと、全てをかけて自らの業を私に教えこんだ父。

ふと、父の顔が脳裏を過ぎる。
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