お題:阿修羅お尻 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:1150字

あ、。
「尻が二つに割れた!」
「いや、元々二つだから」
「そうだった」
(……俺には三つに割れているように見えるんだが)

 裸の付き合いをしなければ行けない場所といえば、お風呂場である。知っている人、知らない人、好きな人、嫌いな人。関係無しに風呂に入る時は裸を晒さなければならない。最近では水着で入るスパ施設も増えているが、ここは紛うことなき、裸一貫になる温泉である。
 と、前置きしたものの、別に温泉には大人数で行かなければならないというわけではない。こうして俺のように一人ノンビリと露天風呂とサウナと水風呂とその他色々を循環して入っていく人もいなくはない。
 そうだとしても、やはりこの町で一番の入浴施設であるから、先程のような楽しげな会話をしている若い人達の方が多いのだ。
 ことの発端は若者の一人が風呂の縁で尻餅をついてしまったことから始まった。こういう浴場で走るのは厳禁だというのに、彼は勢いよく足を動かしていた。そうしたドスンという転倒した時の音と、彼の悲鳴が浴場内で響き渡っていた。
 そうして彼は尻割れた尻割れたと連呼しているものの、そう、尻は普通割れているものなのである。友人らしき人に尻を見せつけていたが、友人らしき人達もきちんと二つだよとツッコミを入れている。そりゃそうである。
 なんとなく、そんなにも激しく打ち付けてしまったことが珍しいのか、これでもかとお尻を突き出している彼のお尻を、俺もなんとなく見てみることにする。
 そうすると、割れていた。二つでは無い。三つにだ。阿修羅だ。阿修羅のお尻だ。
 もしかすると彼の周りではお尻が三つに割れているのが普通なのだろうか、そう思って前だけタオルで隠してお尻に一切興味を示していないその友人達の尻もじっと見てみるものの、やはりお尻は二つに割れている。
 俺は入っていた湯を手ですくい、顔に洗うようにこすりつけた。どうやら寝ぼけていたのだろうか。一度顔を洗ってから彼のお尻を見ようとしたが、その彼は湯船に入ってしまい、最早お尻は俺の面前には入らなかった。
 こうなったら彼が出るまで湯に入ったままでいようか。そう思ったものの、いかんせん、この湯には長く入りすぎていた。移動するとしても、涼しい露天か、あるいは水風呂か。サウナに行く気力は無い。
 いや、もっと大胆になろう、一度シャワーを浴びてから、直接彼の方へいく
 あの三つに割れていたお尻が、はたして俺の勘違いであったのか、それとも真実であったのか。それを見てからではないと、今日風呂に来た意味はないとまで思わせる。
 そうして俺は水のシャワーで火照った身体を冷やしてから、彼の入っている湯船に近づいた。

 結果的には、彼のお尻は二つだった。しかし若いお尻に囲まれて幸せだった。
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