お題:名付けるならばそれは会話 制限時間:15分 読者:22 人 文字数:716字
[削除]

交わる視線
ここはとあるスラム街。
明日を生きることを諦めた者が半分、死ぬことが怖くて仕方なく生きている者が半分。
生きたくて生きている者が誰一人居ない世界だった。

そんなスラム街に、外の街からやってきた男がいた。
彼の名はジョン・D・ナンス。
世界の貧困に関する取材を目的としてこの街に訪れた。
多くの汚れた街を見てきたジョンだったが、この場所は特にひどく感じられた。
それでも取材をするためには街を隅々まで見て回らなければならなかった。

そうしてジョンがふらふらと歩いていると、ふと目につくものがあった。
そこは、言うなれば雑貨屋のようなものであった。
汚れきった布の上には、外の人間が見れば百人が百人ゴミだと言うようなものしか置かれてなく、座り込む男性も売る気はないのか、ジョンが目の前に立っていても顔を上げる気がない様子だった。
そんなゴミの中でジョンが興味を示したのは、一つのペンダントだった。
チェーンは壊れ、塗装も剥がれ落ちていたが、中の写真だけは無事だった。
その写真に写っているのは、果たしてこの男性か、あるいはもう生きていない誰かか。

「すまない、これはいくらだ?」

ジョンは男性に問いかけた。
男性はそこで初めてジョンの存在に気づき、しかしジョンの質問に応じる気はなかった。

「勝手に金を置いていく。もらっていくぞ」

そう言ってジョンはポケットから何枚かの紙幣を取り出し、布の上に置いた。
手にしたペンダントには、親子三人が笑顔で笑っていた。

「ありがとう。良いものを買った」

ジョンがそう言うと、男性は初めて顔を上げた。
二人の視線が交わる。
これが、ジョンがこの街で唯一取ったコミュニケーションだった。
この作品をツイート

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:サカッチ/九鹿 お題:名付けるならばそれは会話 制限時間:15分 読者:19 人 文字数:995字
五月蠅い選挙カーの宣伝が、曲の合間にイヤホンを貫通して届いてくる。 某国営放送局から守ろうなんて党名なことはとりあえず分かった。ビラを配る青年は雇われっ手とこ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:なたね お題:名付けるならばそれは会話 制限時間:15分 読者:28 人 文字数:700字
「330、起きているかい。330」 入ってすぐにかけた一声に、今日もそれは答えてくれた。 人形。 肉と骨を持った、無魂の人型。「__スリー、スリー、ゼロ」 空気 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:環境 お題:どこかの駄洒落 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:487字
「本当さんって知ってる?」「本当さん?」「ほんとうはコンドウさんって人らしいけど。」そこで言葉を切ると、カナエは音を立ててメロンソーダの残りを吸い込む。クリーム 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:mee お題:どこかの駄洒落 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:1878字
「うしなわれてしまった自分の”ギフト”について考えるのって、どんな気持ちなんですか?」 言ってしまってから、しまった、とおもった。でもこの世界のたいていのストレ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:--- 葉月 --- お題:イタリア式の青春 制限時間:15分 読者:10 人 文字数:596字
なんなんだよ、いったい!!『こんな地味なお団子じゃなくてぇ、カラフルなジェラートとかぁ』『ただ広いだけの原っぱじゃなくてぇ、綺麗な街並みの見える丘とかぁ』『そん 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:織倉未然 お題:ゆるふわな殺人犯 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:415字
その日、S市中央区にある○山庭園は、穏やかな日差しに包まれていた。優しい風がそよぎ、木漏れ日がくすくすと笑っていた。男は地面に突っ伏していて、血の池に浮かんで 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:破死竜 お題:ゆるふわな殺人犯 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:463字
ピンクハウス、とか呼ぶのだったか。 ”ふりふり”のたくさんついた、フェミニンな服装に、野犬にでも出会ったような驚きがあった。 あぜ道を、水門の様子を見に来て、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:日ノ宮理李 お題:ロシア式の天才 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:864字
さぁ劇をはじめようと彼女はいった。 そこからすべてが確かにはじまった。いや……すべてが終わったのかもしれない。 to. 世界のあり様が彼女が解き明かしてまず国 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:Dynamite:D お題:誰かのフォロワー 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:1111字
この世の中はにある全てのモノは、誰かに続いたフォロワー。 ということはわかっている。ので、このお題はあまりよろしくはない。お題だけで綺麗だったり、磨くところが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:Dynamite:D お題:暗黒の唇 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:999字
なにも見えなかった。だけれども、感触は今もはっきりと思い出せる。 大袈裟に言えば、生まれて初めて、自分以外の人間がこの世に存在していることがわかった瞬間だった 〈続きを読む〉

匿名さんの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:3月のカラス 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:262字
3月の肌寒さを感じ、疲れはてた体に身を任せ、ソファーに倒れた。まぶたが重くなってくる。意識は薄れていきそして、ソファーの心地いい暖かさに包まれながら目を閉じた。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:捨てられた山 制限時間:15分 読者:2 人 文字数:268字
最後にこの山を出るのは自分になった。なだらかな坂を下りながら振り返ってみる。穏やかな風が流れる、いつ見ても同じ姿の山がそこにはあった。山は何も変わっていない。何 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:ナウい朝飯 制限時間:30分 読者:6 人 文字数:1033字
朝目覚めると、お父さんが台所に立っていた。珍しいこともあるものだと思い、僕はお父さんの背に向けて、声をかける。「おはよう。何つくってるの?」 僕の声を聞いたお 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:昨日の独裁者 必須要素:武田鉄矢 制限時間:2時間 読者:2 人 文字数:2564字
今思い返すと昨日のあれは何だったのだろうか?休日の朝を、少し手の込んだ朝食を並べ優雅に過ごしていたらそれは突然現れた。「さっさとあけないか馬鹿もの!!」と入り口 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:燃える彼 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:270字
彼はいつでも、燃えている。 夢に、理想に。料理から勉学まで。 そんな彼が眩しくて付き合い始めたけれど、最近は、彼との付き合いに疲れてしまっていた。 だって、彼 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:哀れな教室 必須要素:100字以内 制限時間:30分 読者:17 人 文字数:252字
いくつもの机と椅子が置き去りにされている。かつて、この部屋にはこどもたちの声が響いていたはずだ。しかし、今や、残されているものは静寂だ。ふと、目の前の机に意識が 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:限界を超えた子犬 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:495字
吾輩は犬である。 名前はまだない。 …と、それっぽく言ってみたが、俺は生まれて1月くらいの子犬だ。 ちなみに名前はポチ。 朝から人間の散歩に付き合ってやって疲 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:君と犬 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:630字
先程から、赤い首輪をした一匹の柴犬にじっと見つめられている。首輪がついているから野良ではないのだろうが、辺りに飼い主の姿は見当たらない。「なんだお前、迷子か? 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:恐ろしい机 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:254字
今日もその机には一輪の花が揺れている。「……B組の〇〇さん、自宅マンションから飛び降りちゃったんだってー……」「……別に自○する要因なんてなかったのにねー…… 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:大きなおっさん 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:421字
ここのところ毎日夢を見る。悲しい夢だったり、怖い夢だったり、楽しい夢だったり、様々な種類の夢を見るが、共通していえることは【必ず大きなおっさんが出て来る】という 〈続きを読む〉