お題:見憶えのある海辺 制限時間:15分 読者:30 人 文字数:474字

亡失 ※未完
ふと、意識を取り戻した。力の入らない体をようやっと起こす。

「ここは……?」

瞼を貫く強い日差し。足の沈みそうなサラサラの砂。ゴミ一つ流れ着いていない、綺麗すぎるほどの蒼と打ち寄せる波。ここが海辺ということしかわからない。

「そもそも私は……私は、誰?」

自分の顔はおろか、名前すらもはっきりと覚えていない。ただ一つ覚えているのは、ここが何か自分に関わりのある海岸だということ。美しすぎる海は『何かを忘れている』という実感だけを映し出している。

居ても立ってもいられなくなった私は、両脇に聳える絶壁の小路を歩き出す。裸足のままでも不思議と砂は熱くないし、貝殻の一欠片もないならその方が心地好い。

生い茂っている草木も小路に飛び出してはおらず、人が通った痕跡がはっきりと認められる。この先に、私を知るかもしれない誰かがいる。それだけで私の気持ちは浮き足立った。

「お嬢様、おかえりなさいませ」

小道の終わり、ウッドデッキで私を待っていたのは壮年の給仕服姿の男性。穏やかな笑みで私を『お嬢様』と呼ぶ。この人は私の使用人だったのだろうか。
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