お題:素人の床 制限時間:15分 読者:27 人 文字数:1094字

言葉がいらないからこその、
 そういう関係性を持つことが、大人になったということなのか、それとも子どもだからこそ、そういうことを仕出かしたことで大人になったフリをしてしまうのか。どちらにせよ、ああだこうだ言うのも無粋な話。
 それでもやっぱり、そういうことをしたということは、あたしにとっても、アイツにとっても、日々の変化を求めていた。変化と言うより進化なのか、いや、変態かしらね。
 とにかく、アイツのへその下には変な斑点があって(傷跡?)、どうやらあたしの腿の裏にはホクロがある。ということを知っている仲になったということ。

「で、いつまでよそよそしくなっているのよ」
 そんなことがあったのが、もう一週間以上前だということが、本当にこの男というのはよくわからない。いつもは無駄に尊大で、自惚れている面すらあるというのに、あたしとの遭遇を避けている。軽く声でもかけてみたら、耳をいつも以上に触り(アイツは焦ると耳をずっと触る癖がある)、どこかへ言ってしまう。
 だからあたしは、もう面倒だから手っ取り早くアイツの家に尋ねてきた。いつものようにアイツのママさんと軽くお話をして(なんか察せられた。うーん、母は強し)、ママさんは買い物に行く。そしてあたしはアイツの部屋で待っている。あ、また漫画が増えている。読んでおこう。
 そんな風に待っていると、部屋のドアが開かれて、登場するのはもちろんこの部屋の主。

「おおおっ!?」
「いや驚きすぎでしょ」
 ベッドの上で座って待っているのは、あたしとしてはまだまだ余裕があるということ。怒ってはたぶんいない。というかそういうことも含めて、こいつと一緒にいるんだから。これくらいのことで一々感情的になる必要性はない。

「で、一週間前のことを無かったことにしたいわけ?」
「いや、その、いや、そんなわけがあるかい!」
 余裕綽々なあたしにたいして、こいつはいつもの十倍以上全身でアタフタを表現していた。ギャグ漫画でもここまでおかしな動きはするまい。
 だからあたしは、右手をポンポンとベッドを叩く。とりあえず座りなさいな。座ったら、落ち着くだろう。
 ロボットのようにガタガタした動きをしながら、この人はあたしの隣に座り込む。
 にーっと微笑んだ顔を見せつけると、もの凄い勢いで耳を触りながらそっぽを向いてしまう。
「こっちを見なさい」
 命令口調。そうしてやっと、やっとあたしの大好きな人はこっちを向いてくれる。
「一週間ぶりに目が合ったわね」
「いや、もう毎日目を合わせていたよ。本当に、自然と目に入っちゃうんだわこれが」

 たぶん、今日もまた、重ね合わせるだけ。
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