お題:怪しい目 制限時間:15分 読者:44 人 文字数:838字

手縫い
 いつでもオデコにてぬぐいを巻いてるやつがいて、それがおしゃれにしてもまったく似合ってないものだから、そこになにか隠したいものでもあるのかと友人のあいだでよく話題になっていた。でっかいニキビがあるとか、ハゲてるとか逆にものすごく額が狭いとか。いろいろ噂されているなかで、第三の目を隠してるんだ、というのが傑作で、妙にツボに入って大笑いした。第三の目は見たくないものまで見てしまうから、その力を手ぬぐいで封じているのだ。そういえば、中学生の頃は右腕に包帯を欠かさなかったなと同類をカミングアウトするやつまでいて、やつのオデコについてもそっとしておこうという結論になった。
 なったのだが、それにしても手ぬぐいというのはいただけない。なにせ、緑の地でぐるぐる模様が描いてある、泥棒の持っている風呂敷みたいな柄なのだ。隠すにしてももっとましな柄があるはずだし、それこそ包帯だって、手ぬぐいほどひどくはないだろう。
「手作りなんだ。使ってくれ」
 やつの誕生日にもっといかした柄のものをプレゼントしてやった。黒地に十字架と薔薇の模様だ。中学生ならきっとうずうずするに違いない。友人には不器用なやつしかいなくて、刺繍はいびつになったが、思いのこもった一品だ。
「やだよ、恥ずかしい」
 それをやつはあろうことか、受け取ったそのままゴミ箱に直行させようとしたので、みんなで涙目になって止めた。一人あたり、十字架と薔薇を一個ずつがノルマだった。それでも完成までに三ヶ月を費やしたのだ。
「いやお前ら、もっと有意義に時間を使えよ」
「俺らの時間を無駄にさせないためには、お前がそいつさえ使ってくれればいいんだ」
 やつはもう面倒くさくなったらしく、泥棒風呂敷のうえからかっこいい柄の黒てぬぐいを巻いた。封印はこれでより強固となったことだろう。
「どうだ、使い心地は。最高級のシルクを使ってる」
「お前ら、もっと有意義に金を……もういいや」
 肌荒れはしなそうだ、と言っていた限り、ニキビ説がn
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