お題:緑の屍 制限時間:1時間 読者:10 人 文字数:499字
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緑のオブジェ
 森をあてどなく散策中、苔むした死体をみつけた。
 肌が露出した部分は一部の隙もなく苔が覆っている。服は泥まみれになっているも、そちらには全く苔が生えていなかった。
 試しに足で小突いてみる。びくともしない。下の地面と完全に一体化していた。
 着ている服は一昔前のセンス。亡くなってから随分な時間が経過しているのは間違いない。普通であれば白骨死体になっていてもおかしくない状況だ。苔が石膏のような役目を恐らく果たし、当人の形を保たせてくれているのだろう。
 ポケットからスマートフォンを取り出し、一枚撮る。どこかに上げるつもりはないが、ちょっとした優越感を覚えた。
 もう少し近づいてみる。苔に覆われているからだろうか、死特有の忌避感が薄い。それどころか、タオルケットで包み込まれるような安心感を覚えていた。
 そっと鼻を近づけてみる。腐臭はなく、代わりに緑の匂いがした。あまりにも自然に溶け込んだ香りに、身を委ねてしまいたくなる。睡魔のような誘惑はとても心地よく感じられた。
 ここで眠りにつけば自分も、自然の一部と化せるのだろうか。
 ――だといいな。
 そのまま、そのまま。静かに目を閉じた。
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