お題:裏切りの多数派 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:1017字

チームになった。
 全ての元凶である魔王を討ち滅ぼしたら、全てが良くなる。なんてことを考えている奴が大半いるこのチームに参加してから、はや三ヶ月。
 大きな不満はないのだけれども、だがやはりどことなくだらけた雰囲気というか、緊張感がないというか。励まし合うこと、批難しないことは確かにいいことなのだろう。しかしそれは今まで勝ち続けていて、それでいて離脱者も死者も出ていないからで、もしこれからそういったことが起きた場合を考えると、一概にいい雰囲気とは言えない。

「野営の準備できましたよ」
 それと、このチームは雑務が出来る人間が非常に少ない。こうした野営の設営から、町に入ってからの情報収集、物品の購入と調達、交渉などなど。俺が一番得意とは言わないが、かなり上位なレベルで動いていると自負できるほどに、ここのチームは戦闘にしか目がない奴らが多い。
 今日もいつものようにいつものメンバーで、野宿のための準備をする。俺は設営。他の奴は調達やら調理やら。すでにローテーションが出来つつある。

「ったく遅えんだよ!」
「ほんとよ、最近みんな弛んでんじゃない?」
「そうだよねえ。なんか料理も単調になってきたしさあ、みんなもうちょっとしっかりしてよ」
 なんだか暴力しか取り柄がない連中が、強く出ているが、俺はハイハイすみませんすみませんと軽くあしらって、調理に合流する。
 調理場に行ってみれば、なんとも今日の担当の女の子が涙を流しながら鍋をかき混ぜていた。まったく困ったものだ。
「手伝いますよ」
「あ、ごめんなさい。大丈夫ですから!」
「いいから」
 とりあえず皿やらフォークスプーンなどの食器を準備をするだけでいいだろう。
 その後盛り付けやらをやっていると、調達と斥候も戻ってきたが、二人とも沈痛な面持ちだった。

「いただきます」
 そうしてこの四人は、他のチーム員と別のところで食事をする。誰が言い出したかわからないが、なにも出来ない奴と出来る奴が一緒にいると嫌だそうだ。

「帰ろうかなって思います」
 食事を終えて、片付けをしていると、今日の料理担当の女の子が俺や他の面子にそう告げてきた。
 それに同調するかのように、排斥されつつある面々がみな同じように出来る連中の悪口を言ってき。しかし彼らは多数派だ。下手に離脱すればなに言われるかわからない。

「んじゃあ、みんなで逃げ出すか」

 こうして、俺たち四人はチームを抜けた。そして。
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