お題:何かのデザイナー 制限時間:15分 読者:39 人 文字数:838字

収入源 ※未完
 引きこもりの友人の生活レベルが一向に落ちる気配がないので、いい内職でも見つけたのだろうと勘ぐっていた。平日外に出て働いている気配もない。天涯孤独で養ってくれる親もいない。もし家から出ないで生活するすべがあるのなら教えてもらおうと、そのためだけに友人関係を維持していたくらいだ。
「見てるんだろ、出てこいよ」
 友人宅に仕掛けていた盗聴器とカメラを発見されたのはこれで何度めか。内職の秘密を暴いてやろうと調査を開始したはいいが、友人は勘がよすぎてバレてしまう。仕方なく友人の声が聞こえてきたヘッドホンを外し、友人宅のトイレから出る。
「ホントにいたのかよ……」
 ドン引きの表情の友人に迎えられたので、これはもう直接本人に聞くしかあるまいと腹をくくった。ここ半年、監視を続けてきたが、パソコンでなにか作業している以上のことはわからなかった。それ以上のことに踏み込もうにも、そのまえにトイレや浴槽やベッドの下に隠れていたのがバレてしまうのだ。
「さあ教えろ、お前はどうやって楽して金を稼いでるんだ」
「楽とか決めつけるなよ。結構大変なんだぜ」
 正面から問い詰めたら意外と教えてくれそうな流れだった。これなら最初から聞けばよかったかもしれない。目の下に隈もできて、疲労困憊した様子だが、確かに楽ではない仕事なのだろう。
「いやこれは、自分以外の誰かが家のなかにいるってストレスで、ここ半年」
「神経衰弱じゃないのか? 引きこもりなんかしてるから、かわいそうにな。それよりさっさと秘密を教えてくれ。盗聴器の電池が切れたから、電器屋が閉まるまえに買いにいかないと」
「実はな、デザインなんだ」
 早く帰らせようとするかのように、友人は早口で言った。パソコンを持ってきて、どこかのサイトを開く。
「在宅ワークだよ。作ったデザインを買ってもらってるんだ」
「まさか友人がデザイナーだったとは。なにに使われてるんだ?」
「なにかに……」
 急に歯切れが悪い。下っ端デザイナーなのだろうか。
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