お題:遅すぎた悪魔 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:671字

ひとつの命が途切れた。
「ねぇそこのあなた。あなたは幸運よ、何故ならあたしの目に留まったから」

黒い衣装を纏った少女が、ふわりと窓から舞い込んだ。重たい体を起こすと、私の上に跨って顔を近づけて来た。

「あなたの命と引き換えに、なんでも願いを叶えてあげるっ♪」

これ以上無いくらい分かりやすいセリフ。

「あなたは……死神さん?」

「そうそう、お迎えにあが……ちっがうわぁ!!!どう見ても悪魔でしょ!」

ノリツッコミをしてくれるくらいには明るい子だし、黒いローブは死神のイメージだ。どう見ても悪魔には見えない。

「もう!そんなことはいいのよ、今は。それで、願いはなんなの?」

まだ契約するとは一言も言ってないのに、話を進められている。まだ死にたくないのだけど。

「そうなの?その割には、もうすぐ死ぬみたいよあなた。そんなに酷かったら自分でもわかるでしょ」

そっと自分の体を見下ろす。腰から下は存在しない。呼吸器を外せば酸素の供給は止まる。

どうせならもう少し、早く来てくれたらよかったのにな。そうすれば、妹は助かったのに。

「でも姉のあなたが居なかったら結局、あなたと同じことをするわよ。妹さんも」

じゃあ何故、今私のところへ?

「あなたは、いつだかの私に似てるのよ。最期くらいはいい思いさせてあげたいなって気まぐれ。いいでしょそのくらい!ほら、お願いは?」

妹と一緒に、母さんに会いたい。綺麗なお花畑がいいな。

「わかったわ、安らかに眠りなさい。ほんとにただの気まぐれなんだからね?」

……ありがとう。


紛争の耐えないある国にて。
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