お題:思い出の狸 必須要素:ラー油 制限時間:15分 読者:39 人 文字数:1054字

また一つ減った
御所野イオンからパーティープレートを買ってきたタイミングで、母方の実家の仏間で飲み会が開催された。
「カンパーヒ」
高めで、高めで乾杯しますという得体のしれない宣言の元、祖母の何回目かの何回忌である。もはや経路はどうでもよく、集ってお酒を飲む会である。地方の無駄に広い家にありがちな、なんかそういうのだ。まあ私もお酒が飲めることに関しては異論はないのだけども。

しかしながら遺憾なことに、パーティープレートの中に餃子が含まれていたんだけども、ラー油がないという現状であった。
「ラー油がないのに餃子とか!」
ありえない、こともないんだけども、今、今の自分のコンディションだったらラー油が欲しい。時間を割いてでも買いに行く価値がある。

「まあまあ」
という家人の言うことも聞かず、私は再び御所野イオンに歩いていくことになった。ギリで歩いて行ける距離。

「絶対にラー油」
自分の中のどのスイッチが急についたのかわからなかったが、とにかくラー油がいる。必要だった。そんな風にラー油を欲したのは人生で初めてだったが、衝動に身を任せた。憎しみを抱いていた人の頭にコンクリのブロックを一回振り下ろしたら、もう止められない。そういう感じ。積年の恨みを全部出してしまいたいと何回も振り下ろす感じ。

無事に御所野イオンに到着し、ラー油を購入しじゃあ帰ろうかとも思ったけども、ヴィレッジヴァンガードやら未来屋書店やら、フードコートではなまるうどんを食べて過ごした。フードコートのとなりにはゲームセンターもあり、そこでハウスオブザデッドをやったりした。

考えてみれば、母の実家に行ってこんな風に一人で過ごしたことはなかったかもしれない。

しかしいよいよ日が暮れてきたので、帰り道ラー油をもって歩いていると、ふいに不思議な違和感に遭遇した。

母の実家から御所野イオンまでの間には一軒の石材店があり、そこの店先にはいつも狸の像があった。

「あれ?」
それがないのである。

さっき車でイオンに行った時もこの道を通った。タヌキはあったはず。そもそも母の実家に来たらそれに連結されてイオンにも毎回行く、そして毎回タヌキを見ていたのである。それがない。

それなのに、こうして偶然ラー油問題が生まれて無駄な往復が発生した。

行きはラー油ラー油と考えていたので覚えていない。

しかし帰りは目的も果たせたし、視野は広がる。

そしてタヌキがない。

この短時間で売れたんだろうか?

あの狸。

母の実家の思い出がまたひとつ
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