お題:絵描きの転職 制限時間:15分 読者:37 人 文字数:1502字

球体は影で形を変える ※未完
人生常に崖っぷち。

そんな言葉を言った人が、過去には何人もいた。

後世にそんな言葉を残したということは、きっとその人の人生も崖っぷちだったのだろう。

いつか来る終わりまで、ただ耐え続けて。

その先に何かがあると、そう信じて。

だからこそ、崖っぷちだったのだろう。

落ちた先も、昇った先も。

黒か白が広がり続ける。

端まで来てようやく気付くものではなく、ここに来てはじめて崖であることに気が付くものである。

今、自分の立っている場所は、どうだろうか。

崖の近くだろうか。

それとも、平地のど真ん中だろうか。

改めて自分の位置を確認すると、私は崖っぷちにいると思える。

ある意味でいえば、平地の真ん中なのかもしれないが…。

というのも、私にはスキルがある。

そう、絵を描けるというスキルだ。

幼い頃、私は絵を描くのが好きだった。

日が暮れても、毎日毎日、鉛筆を片手に紙に線を引く。

飽きるとか、そういうのではなくて、それが私の世界の全てだったから。

だから、きっと絵の仕事に就いたのも自然な流れだった。

"私には絵しかないのだから"。

そう、自分に言い聞かせ続けて。

本当に、そうだったのだろうか。

絵を描くことしか、私にはできなかったのだろうか。

いくつもの疑問が頭を過る。

そういえば、いつから私は絵以外"価値が無い"と思っていたのだろう。

ふと、そんな問が脳裏に浮かぶ。

それでも、今はその答えは出さなくてもいい、なんて思っていた。

だって、私は、絵の仕事に就いたのだから。

けれど、いつまで経っても、私の心は満たされなかった。

好きに描く絵。

仕事で描く絵。

絵としては同じ好きだったはずなのに、どうも好きになれない。

それは、名義の問題かもしれないし、題材のせいかもしれない。

だけど、生きるために絵を描くことが、私にできることだから。

それをひたすらやり続けるしかない。

心の内で叫んでいる本音を隠して。

やがて、数年の時が経った。

かつて抱いた疑問など、遥か昔に忘れていた。

そんな頃、社内である噂が広まった。

破産。

解雇。

つまりは、そういうことだ。

終わりがやってきてしまったのだ。

まさか、こうもあっけなく終わるとは思ってもみなかった。

噂は現実になり、翌月、会社はなくなった。

さて、私は何をしよう。

いや、何をすればいいのか。

そんな時、ふと思ったことがある。

私には、絵以外に何があるのだろうか。

数年前に出せなかった答え。

それが今、目の前で必要とされている。

次の職を見つけなければ。

だけど、私に絵以外に何がある?

そうだ、絵を描けばいいんだ。

じゃあ、本当に絵の会社に行けるの?

わからない。

自問自答の繰り返し。

弊社だって、そこそこ大きな会社だった。

それでも無くなったということは、きっと他も同じだろう。

だとしたら、私に残された道は、一体…。

ここにきて、自分が崖っぷちに立たされていることに気が付いた。

右も左も、ただの真っ暗闇。

私は、どこに行けばいいのだろうか。

意識が暗くなる。

もしかして、私の終わりというのは、ここだったのだろうか。

あぁ、それならいっそ、諦めるという選択肢も…。

そんな時、過去に読んだ本が脳裏を過った。

物事は、見方を変えると、姿を変える。

はたと気が付き、棚にある本を取り出した。

そこに書かれている文字。

ファッションデザイナー。

私にとって、絵とは何か。

その片鱗を、





作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
死後 ※未完
作者:わんこ お題:早すぎた血液 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:513字
どくどくと血が流れていく。右手の動脈に傷を負い、血液が大量に流れ出していく。もう意識を保てるのもあと少しだろう。手で傷跡を抑えても無駄なようだ。止めどなく血液は 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:軽い汁 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:1206字
「告白されちゃった」「ぶっ! ぐっほぐっほ……」 啜っていた味噌汁を、彼は吹き出しそうになった。だけどそれを最小限しか零さない所はこういった事態に慣れているとい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:不思議な体 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:1290字
「ということで、今日はあなたにインタビューをしたいと思います」「どういうこと」「まず、いつ頃からその力が使えるようになったのですか」「え、あ、そうね。うーん、半 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:にいろちゃん@Vのモノ お題:今度の孤島 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:204字
また新しい生活が始まった。いつも俺の生活は唐突に終わる。せっかく住み心地がいいようにしたのに。俺が住むことは叶わないらしい。今度の生活はいつも以上に難産だ。無茶 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
bba ※未完
作者:日ノ宮理李@りゅうはきらい お題:暗いババァ 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:1023字
夜道には不審者が現れるから注意しなさいと担任は話してた。それとあまり遅くならないようにも言ってた。 塾で遅くなるから僕にはどうしようもない。誰か一緒に帰ってく 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:南野 ツバサ お題:今度の冥界 制限時間:15分 読者:7 人 文字数:306字
「んん……」 ローズは目を覚ました。 あたり一面には何もない薄暗い空間が広がる。 ひんやりとした空気が肌を撫で、だんだんと頭が冴えてくる。 「そうか……私は… 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:春の躍動 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:1059字
もう四月も半ばを過ぎるというのに雪がちらついている。 気まぐれな春の天気というわけではない。この辺りは、ずいぶんと長い間冬を引きずっていた。 この年になってか 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:でよんし お題:緑の水 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:190字
女子学生を中心に爆発的人気で連日長蛇の列が止まらない人気店があるそうだ。何でも緑色の水を出すお店何だそうで...それで緑の水ってじゃあ一体何なんだ? お茶でもな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:イタリア式の映画 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:320字
愛している、とか聞こえたかもしれない。友人がイタリア映画が見たいとかわけわかんないことを言うからそんな感じのやつを借りてきたらがっつり恋愛映画だった。同性と騒 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:akari お題:不幸な太陽 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:422字
コップに入った水道水。そこに牛乳一滴垂らしても、白く染まることはない。霧散して、間もなく消えてしまうだけだった。 だから、私は重ねることにした。 髪は短く、明 〈続きを読む〉

クロエの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:クロエ お題:女の表情 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:808字
視界が赤い。「ぐっ…ごほっ!」口から液体が溢れる。(っ…!いってぇ!)右肩を押さえながら、ゆっくりと立ち上がる。「あら、貴方の実力はその程度でしたの?」煽るよう 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:クロエ お題:贖罪の旅行 制限時間:15分 読者:15 人 文字数:980字
背中から一筋の赤い雫が零れ落ちる。それは、先程までは無かったもの。力の代償として身に受けた罰。「ごほっ…」手で口を抑え、液体を受け止める。(…最悪だ)どうやら、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:クロエ お題:12月の手 制限時間:15分 読者:20 人 文字数:1256字
暗い部屋の中。ぴちゃり。何かが落ちる音がする。(そっか…私)赤く滴る手を見つめながら鏡を見る。そこに映っているモノ。それを"壊す"ために手を取ったんだった。(… 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:クロエ お題:高貴なつるつる 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:1554字
世界は悪意にあふれている。こう唱えたのは、果たして誰であったか。誰か一人の善意が、悪意へと変わるのは容易い。物の見方を変えてしまえば、世界は容易に形を変える。だ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:クロエ お題:紅茶と高給取り 制限時間:15分 読者:38 人 文字数:1434字
目前に広がる夕焼け。世界を覆うようなオレンジ色に感銘を受ける。こんな世界で生を受けたことに感謝しながら、下を見る。動き続ける粒の数々。こうしていると、この世の全 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:クロエ お題:彼のぬるぬる 必須要素:マフィン 制限時間:1時間 読者:27 人 文字数:2574字 評価:0人
カーテンから零れる光で、意識が浮上する。「んー…」ゆっくりと背伸びをする。瞼を擦り、目脂を取る。(顔、洗わなくちゃ……)フラフラと立ち上がり、洗面台へ向かう。「 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:クロエ お題:限界を超えた14歳 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:661字
荒れ果てた大地を踏みしめながら、前へ進む。(この辺りに敵がいるはずですが…)指令では、この辺りに伏兵がいるという話だ。(…初撃には気をつけないと)そう思いながら 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:クロエ お題:輝く抜け毛 制限時間:15分 読者:24 人 文字数:634字
燃え盛る街を背に、敵を見据える。(相手は同じHIVシリーズ…)思考を回し、これからの行動を決める。(あのフォルムは恐らく150型…)至る所にあるジョイントの数と 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:クロエ お題:あきれた罪人 制限時間:15分 読者:31 人 文字数:1223字
荒れた大地をゆっくりと歩く。揺れるコート。吹き荒れる砂埃。今まさに、俺は旅をしている。「…ねぇ、そんな感傷に浸ってないでさぁ、答えてよ」「…なんだ」そう、一人で 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:クロエ お題:遠い宗教 制限時間:15分 読者:25 人 文字数:1290字
0と1。その境にあるものは、果たしてなんなのか。曖昧という言葉に隠されたもの。それは、真であり、裏である。では、0がいくつ並ぼうが、1がついていれば1なのだろう 〈続きを読む〉