お題:絶望的な罪 制限時間:15分 読者:50 人 文字数:818字

姿の見えない怪物
(#131)

 自分が何らかの罪を犯している、あるいは過去に罪を犯したという経験は、自分の一生につきまとい続けることになる。
 罪に対する罰は折に触れて訪れる。
 それは結局は自分自身が創り出した自分への罰なのだけれど、とても苦しいものである。
 自分で自分を苦しめるなんてナンセンスだと思うかもしれないけれど、それは無意識的なもので、いくら目を逸らしてみても逃げることは難しい。
 だから、罪を犯し続けることは自分にとっては自傷行為に他ならない。
 であるのに、どうして人は罪を犯すのだろうか。

 自分が蔑ろにされているという感覚が、私にとっての罰であるような気がしている。
 私の目の前で、私以外の人々が楽しそうに話をしている光景。
 自分もそこに加われば、その孤独感や劣等感は拭い去れるのかもしれないけれど、プライドが邪魔をするのか自分は行動を起こさずに様子を観察している。
 その内に誰かが自分に声をかけて仲間に入れてくれるだろう、そんな期待を持ったままで無表情に作業をし続けている。
 第三者の視点でその光景を眺めたならば、それは一般的な当たり前の光景として映るのかもしれない。けれど、当事者の心の中では様々な想いが渦を巻いているのだ。
 拗ねるとか、羨むとか、そんな感情の裏には、相手を傷つけたいという攻撃的な欲望が顔を隠している。それを自分自身で見ない振りをしているけれど、我慢することで生まれる鈍い痛みが消えることはない。
 全てが自分の思い通りに動くわけではないのだ。
 そこにいる全ての存在が心地良いように自分の想いを閉じ込めることが正しい選択なのだろうか。
 きっとそうではないと感じているからこそ、私は自分の想いを優先するという選択を下した。
 その結果としての現状であるのだから、それは仕方のないことかもしれない。
 だから、ひっそりと存在感を消してしまおう。
 そうすれば自分が蔑ろにされているという感覚
作者にコメント

似た条件の即興小説


ユーザーアイコン
作者:茂吉 お題:ねじれた表情 制限時間:15分 読者:6 人 文字数:403字
「あなたって、怒ったり、笑ったりすることあるの? いつも無表情でさぁ。」彼女が不機嫌そうにつぶやく。10分前に運ばれてきた食後のコーヒーにはまだ口をつけていない 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
大学シリーズ ※未完
作者:茂吉 お題:箱の中の大学 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:300字
大学2年のとき、一時期、プラモデルに嵌ったことがあった。戦闘機をよく作っていた。形の美しさに魅せられていたのだと思う。塗料を買って、色も塗って、本格的に仕上げ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:傷だらけの希望 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:249字
キャンディ・スキャンティがヨーロッパ・ロマネスク様式の部屋の宝石箱を開くと今日はそこに大学があった。スキャンダル好きなスキャンティはひとたばのギーク・ボウイたち 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:過去の血 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:216字
左手首をかしげると、薄青い静脈が、すうと浮かび上がった。月明かりだけが窓掛け越しに照らす寝室で、ぼくは顔も知らぬ母親について思った。彼女のことは何も知らないのに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:壊れかけの耳 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:927字
この耳が壊れさえすれば、私はあの人を愛さなくても良いのかもしれない。愛しているから、あの人が私以外の人と仲良さそうに話している姿に苛立ってしまう。いや、むしろ 〈続きを読む〉


ユーザーアイコン
作者:ダツ・ Ambrose お題:僕の好きな多数派 制限時間:15分 読者:7 人 文字数:1061字
好きな男の人がいます。なんて文章を書いた場合、普通の人間は女性、それも少女と呼ばれる世代が書いたモノだと判断するだろう。 だけれども、例えば『僕』っていう一人 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
おどりと。 ※未完
作者:日ノ宮理李@ひよよんとかなみの子ども お題:凛としたダンス 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:626字
夢を見れなくなった僕は彼女をただ追いかけることに命をかけてた。 そんな僕をおそらく彼女は望まない。わかってるけど、僕というボクを維持するには必要だった。「…… 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨宮ヤスミ お題:賢い絵描き 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:1219字
知り合いが「とてもいいモノを買った」と自慢してくるので見せてもらうことにした。 この知り合いは同人で漫画を描いていて、それにとても役に立つものらしい。 そんな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:破死竜 お題:今日のゲストはバラン 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:698字
「ようこそ、お越しくださいました」 寿司屋の出迎えにしては、大人しい。 「二名で」 「カウンター席でよろしゅうございますか」 「テーブル席で頼む」 「かしこま 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん お題:隠された汁 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:541字
秘伝の出汁。関東で1番旨い親子丼を作る父が昔から使い続けている秘密のレシピなのだが、彼のもとで修行を続けて3年経った今でも教えてもらうことは叶っていない。「そり 〈続きを読む〉

yaichiyoの即興 小説


ユーザーアイコン
作者:yaichiyo お題:楽しかった昼食 制限時間:15分 読者:13 人 文字数:973字
(#138) 誰かのことが自分にとって大切な存在だったのだと知るのは、いつも誰かが自分の前から去った後。 理屈では解ったつもりになっているけれど、いつだって同じ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:yaichiyo お題:バイオ火 必須要素:ラガーマン 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:767字
(#137) 自国で世界的なラグビーの大会が開かれる。 そのニュースを聞いた瞬間、きっと国の誰もが飛び上がって喜びを表現しただろう。 かく言う私もまた、隣に偶然 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:yaichiyo お題:絵描きのボーイ 必須要素:聖書 制限時間:15分 読者:31 人 文字数:847字
(#136) 見渡す限り白い靄に包まれている。 それらは空気中に含まれている水分なのだと知っているから、少年は口を開けて靄を摂取していた。 たとえ食べる物が無く 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:yaichiyo お題:神のうどん 必須要素:義眼 制限時間:15分 読者:28 人 文字数:728字
(#135) キラキラと輝く白くて太い縄状の集まり。 それは薄らと金色がかった透明度の高い液体の中で優雅に泳いでいる。 ところどころツンとした刺激的な香りを発し 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:yaichiyo お題:自分の中の処刑人 制限時間:15分 読者:40 人 文字数:752字
(#134) 自分の脳内には天使と悪魔が棲んでいて、様々な選択時に登場してはバトルを繰り広げている。 そんな言い回しは腐るほど聞いていたのだけれど、まさか自分の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:yaichiyo お題:今度の行動 制限時間:15分 読者:43 人 文字数:830字
(#133) 予め自分の未来を知ることが出来る権利があるならば、あなたはそれを使うだろうか。 未来を知らないからこそ、何が起こるかわからないことが楽しみで生きて 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:yaichiyo お題:僕と軽犯罪 必須要素:フランス 制限時間:15分 読者:46 人 文字数:885字
(#132) 男性が生まれつき持っている欲望は、理性で制御できるほど甘いものではない。 それを知っているのは、愛の国と呼ばれる「かの国」だけなのかもしれない。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:yaichiyo お題:絶望的な罪 制限時間:15分 読者:50 人 文字数:818字
(#131) 自分が何らかの罪を犯している、あるいは過去に罪を犯したという経験は、自分の一生につきまとい続けることになる。 罪に対する罰は折に触れて訪れる。 そ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:yaichiyo お題:恥ずかしい君 制限時間:15分 読者:52 人 文字数:845字
(#130) 空を飛べると信じたことはあるかい? そんな問いかけを真剣な表情で放つ君。 私はいつも「そんな難しい質問には答えられない」と曖昧な笑顔を浮かべてかわ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:yaichiyo お題:簡単な酒 制限時間:15分 読者:41 人 文字数:795字
(#129) グツグツグツ…。 異様な臭気が漂っている四畳半ほどの小さな部屋。 そこは地下室であるためか、開口部は出入り口である木製のドアひとつだけしか見当たら 〈続きを読む〉