お題:計算ずくめのロボット 必須要素:800字以内 制限時間:1時間 読者:21 人 文字数:800字

反作用のメカニズム
 心を作ることは出来るか。
 ロボットを人に近づけることで新しいヒトを作り出すことを夢想して研究を続ける科学者はその当時も少なからずいたが、その中で彼は人の心に見せかけた、しかし絶対に人の心では無いものを作り上げようとしていた。
 何故そんな事を彼はしようとしたのか。
 それは心というものがただの虚構に過ぎないという事を証明する為。
 人々が心と呼んでいるものが実はすべてリンゴが地面に落ちることやパブロフの犬と同じような単純な自然法則の類に過ぎないということを証明するため。
 だから彼はそれを証明するために複雑な計算式を立て、それを人工知能としてプログラムしロボットに組み込んだ。ロボットの名前は有名な小説の登場人物にちなんでフランケンと名付けた。

 フランケンは、初めは彼の言葉をほとんど鸚鵡返しに返すことしか出来なかった。
「おはようフランケン。」
「オハヨウフランケン。」
「違う。僕の名前は遠月だ。」
「チガウ、ノデスカ?」
 フランケンはよく彼の言葉に曖昧な返事をした。彼がわざと明らかに間違いと分かること、例えば1足す1は1と言ってもフランケンはよく分からないといった風に首を横に振った。彼は自分がプログラムを間違えたのかと思ってフランケンの頭にケーブルをつなぎ、その時の様子をモニタしてみたが内部のロジックは全て彼の想定通りに正しく動作していた。

「アタマガイタイノデスカ?」
 頭を悩ませている時ふとフランケンに言われてハッとした。フランケンの視覚機能は今はオフにしていたはずだ。違う、そんな事に驚いたのでは無かった。『痛い』という言葉を彼は痛覚の無いフランケンに対して使ったことは無かった。彼はフランケンとしか接していない。
 ・・・
 フランケンは無表情に覗き込むように彼の顔を見つめている。そして言った。
「どうやら君は本当に自分のことを人間だと思っていたようだね。」
作者にコメント

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