お題:激しい罪人 制限時間:15分 読者:26 人 文字数:901字

罪の具現化10
 罪を具現化させる技術ができたのは最近のこと。
 データとして人が人生で背負う罪はおよそ重さにして1㌧。これは年長者の平均で、政治家なんかは汚ないもので、100㌧以上になる。
 その重みに耐えきれなくなった人は命を自ら削るほどだ。まぁこれは最近の人には当てはまらない。純粋な人であっても罪がないわけじゃない。
 ちょっとしたことで人を傷つけたり、癒やしたりする。それが人というもの。
 僕はそんな罪人の重さを軽くする仕事をしてる。具現化したものを減らせるのは実物化できてるのだから当然の行為。
 もっとも国の管理された場所でしかできないので、アンダーグラウンドは罪人ばかりだ。あと許可制でお金持ちであってもできない場合がある。
 そんな罪人のなかで救いたいなと動いてる人がいる。そのこはわずか10歳にして自分では動けない状態まで罪を背負った。話を聞けば冤罪でそうなったといってた。
 そのことを信じるかどうかは聞いた人次第であるが、何回も話をしてるとそんなことをした人には到底思えないものだった。
 友人の彼女を寝取ったとか、お金を盗んだとか、教師と肉体関係を持ったとか、わりと聞かないようなことがあったみたい。
 でも、そのこは誰が悪いかなんて一言も話さなかった。好きでその罪を背負ったと笑ってた。
 ここまで罪人らしくない罪人ははじめてだった。
 だからこそ、僕はどうにかしたくなった。
 そうしてやることをやって、そのこは動けるまでになった。ただ両親や、友人と接点を持つことは禁止された。再び同じようなことが起こらないように、と。
 それでまぁ今では僕の秘書であり、伴侶となって活動をしてる。もともと清い心を持ってたからこそ力はあった。すぐに具現化技術の資格をとれたしね。
 原因になった人を伴侶という身近な人になったことで探してみたけど、案の定罪が重くなってた。政治家ほどじゃないけど、50㌧という数値は普通じゃありえない。
 伝えるかどうか迷ったけど、楽しそうに暮らしてるのを阻害するので僕の胸の内にしまっておくことにした。もう彼らと話すこともないだろうし、これからは僕が隣を歩くわけだしね。
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