お題:禁断の凡人 必須要素:腸内洗浄 制限時間:15分 読者:33 人 文字数:974字
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復讐の鬨
 ウサギが根を張って三年。怒りに震えた拳が大地を揺すると、そこから新しいコウサギたちが生えてくる。
 彼らの望みは? 復讐だ。
 単なる復讐なのか。いや、そうではない。
 彼らは長い間被食者だった。捕まえられ、切り刻まれ、煮込まれ、揚げられ、焼き焦がされた。友人が、恋人が、親類が、兄弟が、気が付けばいなくなり、誰かの腹の中だった。
 もう一度一緒になりたいと思っても、一体誰の腹の中にいるのだか。
 そして出会ったとしても、命のない肉片同士だ。
 そこに心の交流はないだろう。

 ウサギはしかし考えた。この世界には意志がある。魂がある。ウサギとしての姿かたちが失われても、きっとそこには尚も私をウサギたらしめている何かがあるはずだ。
 ウサギ性とでもいうべきものが。
 もしも、もしもだ。そのウサギ性を保とうと、強い気持ちでいたのなら。ウサギは死して尚ウサギであり、いずれはウサギとして復活する日が訪れるのではないか。
 それは正しい。
 あなたはあなたとして生まれた以上、ずっとあなただ。
 良くも悪くも、だが。

 良くも悪くも、それこそが平凡というものだ。ウサギは晴れやかな顔つきでそう考えていた。いずれにせよ、我が生涯に一片の悔いもない。ウサギとして生まれ、ウサギとして死んでいく。
 ウサギが目を覚ました時、コウサギだった。
 コウサギというのは人間の腸内環境を通過した後に、土から生えてきたウサギの残滓。にして、腸内でろ過された挙句、人間には吸収できない形で残った、凝縮されたウサギ性でもある。
 そしてコウサギという名前には排泄物兼ウサギという意味合いも込められている。
 名は体を表す。
 コウサギの身体からは牧場の匂いがした。撒かれた肥料のかぐわしい香り。
 ――うん、コウサギの香りが。

 コウサギは丘の上に立って一軒の小屋を見下ろす。
 ――我々を脅かしていたのは、あのたったひとつのファミリーだったのだ。
 コウサギの軍勢は二万。自己増殖によって増えたその二万の軍勢が――
 ――たった一軒を、復讐に燃える思いで見下ろしている。
 二万が同じ思いでいるのだ。
 泣くがいい。震えるがいい。
 声を上げて、恐怖するがいいのだ。
 日が暮れる前に、二万の軍勢は一気に攻め入る。
 七人のファミリーは今宵、地獄を見るだろう。
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