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お題:求めていたのは液体 制限時間:15分 読者:53 人 文字数:674字

雪の女王は雨を知らない

 人間たちは知らないことだけれど、南極には雪の女王が住んでいる。
 彼女は、童話に語られるとおりに美しく、童話に語られるとおりに孤高で、そして童話に語られたのとは全く真逆に、優しい性格だった。ときどき近隣のペンギンを氷の城に招いて、晩餐会やお茶会を開いているだなんて、人間たちが知ったら腰を抜かすことだろう。
 かくいう僕も、栄えある女王様の友達ペンギンの一人だ。僕らのコロニーは城の近所にあるし、僕は女王様が好きなので、お茶会がない時でもちょくちょく出かけていく。城には門番も守衛も居ない(というか、いらない。この世に彼女を脅かせる存在なんているか?)から、全くのフリーパスだ。透明に光り輝く大階段も、美しい結晶の文様に彩られた扉も、友好的に開け放たれて、訪ねてくる誰も拒みはしない。強いて言うなら寒さが門番かな。暖かい国に住む生き物は、女王様に謁見したくても、途中で力尽きて氷漬けになってしまうだろうから。
 女王様はとても優しいので、僕がフラッと訪ねていっても、いつでも茶器とお菓子を用意してくれる。お喋りできるならいつでも嬉しいのだと言う。
 ただ、女王様は、どう頑張っても自分ではお茶を入れられない。ティーポットにその指先が触れたら最後、たとえ沸騰するようなお茶が入っていたとしても、一瞬で凍りついてしまうからだ。だからお茶は僕らが自分で淹れる。女王様はそれを羨ましそうに見ている。
「一度で良いから、ミルクティーを飲んでみたいものね」
 なんて言いながら、寂しい夜のお茶会では、泣いてしまうこともある。
 でも女王様の涙は、すぐにゆ
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