お題:宿命の喜劇 制限時間:15分 読者:16 人 文字数:251字
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自己と他者は必ず一致しない
「俺は本当は、こんなことしたくないんだ」
 項垂れてパイプ椅子に腰かけた彼は、自嘲気味に言った。
「でも周囲はそれにばかり手を叩いて、才能があると言う。だからこれはきっと、自分の宿命なんだと思う。嫌だとかやりたいとかじゃない、やることを運命づけられてる。だから俺は、それに向き合って忠実に生きようと思う」
 パイプ椅子から立ち上がって、舞台袖に立つ。ひとつ深呼吸をして、スポットライトの下に走り出た彼は大きな拍手に迎えられた。
 彼の職業はお笑い芸人。今日も舞台から消えることのない笑いを提供している。
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